須賀龍郎

須賀龍郎について

須賀龍郎（すが たつろう）は、1924年9月29日に生まれ、2015年1月16日に亡くなった日本の政治家です。鹿児島県知事を二期八年務めました。彼の政治家としての歩みと業績を詳しく見ていきましょう。

生い立ちと初期のキャリア

須賀龍郎は、1924年（大正13年）に鹿児島県指宿市で生まれました。大連商業学校を経て、1944年に天理語学専門学校（現在の天理大学）を卒業しました。その後、1948年に鹿児島県庁に入庁し、地方公務員としてのキャリアをスタートさせました。県庁では、東京事務所長、企画部長、総務部長などの要職を歴任し、県政運営の中枢を担いました。

1983年に県庁を退職し、県開発公社（現在の公益財団法人鹿児島県地域振興公社）の副理事長に就任しました。翌年の1984年には県の出納長に就任し、その後副知事に昇進しました。これらの役職を通じて、須賀は県政の深い知識と経験を培いました。

知事としての活動

1996年、当時の現職知事であった土屋佳照が脳梗塞で倒れたことを受け、須賀は職務代理者として知事の職務を代行しました。その後、土屋知事が辞職したため、後任を選ぶ知事選挙に出馬し、自民党、新進党、社会党、新党さきがけ、公明党の推薦を得て見事当選を果たしました。この当選により、須賀は初の鹿児島県庁職員生え抜きかつ非大学卒の知事となりました。

1999年には胃癌で入院しましたが、翌年の知事選挙にも出馬し、自民党、民主党、公明党、自由連合の推薦を受けて再選を果たしました。2004年の知事選には出馬せず、当時の現職知事では最高齢かつ最後の大正生まれの知事として退任しました。

主な業績

須賀知事の主な業績としては、以下のものが挙げられます。

九州新幹線鹿児島ルートの整備: 県庁在任中から、九州新幹線鹿児島ルート（2004年に鹿児島中央 - 新八代間が部分開業）の整備に尽力しました。この新幹線開通は、鹿児島県の経済発展と交通利便性の向上に大きく貢献しました。
マリンポートかごしまの建設: 知事在任中には、マリンポートかごしまの建設を推進しました。これは、鹿児島港の活性化と観光振興に寄与する重要なプロジェクトでした。
鹿児島-上海間の定期航空路線の誘致: 2002年には、鹿児島-上海間の定期航空路線の誘致活動に力を注ぎました。これにより、国際交流の促進と観光客誘致に貢献しました。
川内原子力発電所3号機の増設問題: 2003年には、九州電力川内原子力発電所3号機の増設を巡り、「調査と増設は別」として、環境影響調査の受け入れを表明しました。この決定は、エネルギー政策における重要な一歩となりました。

知事退任後の活動

知事を退任した後、2004年（80歳）には鹿児島空港ビルディングの社長に就任しました。前任者が高齢を理由に退職した後の就任でした。2005年には、長年の功績が認められ、旭日重光章を受章しました。

2015年1月16日、脳梗塞のため鹿児島市内の病院で死去しました。享年90歳。叙従四位。

人物像

須賀龍郎の座右の銘は「誠心誠意」でした。県民のために誠実な政治を行うことを心がけていたことが伺えます。しかし、在任中に西千石町の山下小学校前の県住宅供給公社再開発マンション最上階のフロアを抽選無しで購入したことが、権力の濫用ではないかとの批判も受けました。

まとめ

須賀龍郎は、鹿児島県庁職員から初の知事に上り詰め、二期八年にわたり県政を牽引した人物です。九州新幹線やマリンポートかごしまの整備、鹿児島-上海間の定期航空路線の誘致など、多くの功績を残しました。彼の県政への貢献は、鹿児島県民の記憶に長く残ることでしょう。

もう一度検索