麻生釣駅

麻生釣駅（あそづるえき）

麻生釣駅は、かつて大分県玖珠郡九重町大字菅原に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）宮原線の駅（廃駅）です。1984年（昭和59年）12月1日に、宮原線の全線廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

1954年（昭和29年）3月15日：宮原線の宝泉寺駅 - 肥後小国駅間延伸開業に合わせて、駅が設置されました。開業当初から旅客のみを取り扱う駅でした。
1961年（昭和36年）10月1日：無人駅となりました。
1984年（昭和59年）12月1日：宮原線の全線廃止に伴い、麻生釣駅も廃駅となりました。

駅構造

廃止時点では、単式ホーム1面1線を有する無人駅でした。簡素な構造が、ローカル線の雰囲気を色濃く残していました。

利用状況

以下は、廃止前の各年度における1日平均乗車人員のデータです。過疎化が進むにつれて、利用者は減少傾向にありました。

（具体的な乗車人員データは省略）

遺構

現在、駅跡は自然回帰が進み、当時の面影を辿ることは非常に困難です。しかし、近くを走る国道387号線沿いに、わずかに駅への入り口を示す道が残っています。駅から約100mほどの場所の路側帯の隅にその道は存在しますが、車でのアクセスはできません。

その他

麻生釣駅は、映画『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』（1978年公開）のロケ地としても使用されました。寅さんが訪れた場所として、記憶している人もいるかもしれません。
最寄りのバス停の名称は「あそうづる」です。
* 1968年に制作された記録映画『生活のなかの鉄道 〜ローカル線〜』で、当駅の様子が紹介されています。当時の貴重な映像資料として、その様子を見ることができます。

隣の駅

日本国有鉄道

宮原線

宝泉寺駅 - 麻生釣駅 - 北里駅


麻生釣駅は、短い歴史の中で、地域の足として、また映画のロケ地として、人々の記憶に残る駅でした。廃線から年月が経過し、その姿は変わりつつありますが、かつてそこに駅があったという事実は、今も静かに語り継がれています。

もう一度検索