黒田正宏

黒田正宏：プロ野球を支えた名捕手、コーチ、解説者

黒田正宏（くろだ まさひろ）は、1947年12月21日生まれ、兵庫県姫路市出身の元プロ野球選手です。現役時代は捕手として、南海ホークス（現・福岡ソフトバンクホークス）と西武ライオンズで活躍しました。引退後はコーチ、野球解説者、野球評論家として、長年にわたり野球界に貢献しています。

生い立ちとアマチュア時代

黒田家の先祖は黒田官兵衛と言われています。薬局を経営していた母から毎日整腸剤を飲むように言われ、それが丈夫な身体の基礎となりました。

中学時代から本格的に野球を始め、姫路南高校では1年生からベンチ入り。3年生の切通猛選手を見て、一流になるにはあのくらいの筋力が必要だと感じ、足腰を徹底的に鍛えました。切通選手からは「何でもいいから走っとけ」と言われ、大きな影響を受けました。高校時代は投手も務めていましたが、安藤邦夫監督から肩の強さを見込まれ、捕手に転向しました。

1965年のドラフトで阪急ブレーブスから指名を受けましたが、大学進学を希望し入団を拒否。法政大学に進学し、1年から3年生までは田淵幸一選手の控え捕手を務めました。4年生になると正捕手となり、エース山中正竹選手とのバッテリーでリーグ優勝に貢献。アジア選手権の日本代表にも選出されました。

大学卒業後は本田技研に進み、都市対抗野球で活躍。社会人ベストナインにも選ばれました。

南海ホークス時代

1970年のドラフト6位で南海ホークスに入団。当初は入団を迷っていましたが、野村克也監督との面談で将来の正捕手候補として期待されていることを知り、入団を決意しました。

1972年に一軍初出場を果たし、野村監督の控え捕手として経験を積みます。1973年には試合中の怪我で野村監督から手術をしないようにアドバイスを受けました。1974年には野村監督の故障もあり36試合に出場。1978年には正捕手に抜擢され、自己最多の117試合に出場しました。当時の南海にはシュートを武器にする投手が多かったため、故意にぶつけられた際には、チームの投手を守るために避けずに受けていたそうです。

西武ライオンズ時代

1982年、山下律夫選手、山村善則選手との交換トレードで西武ライオンズに移籍。大石友好選手、伊東勤選手と併用され、1982年、1983年のリーグ優勝に貢献しました。中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツとの日本シリーズにも出場し、日本一を経験しました。1984年には、折れたバットが頭部を直撃するアクシデントに見舞われましたが、幸いにも軽傷で済みました。この事故がきっかけとなり、捕手のヘルメット着用が義務付けられました。

1985年には選手兼任で一軍バッテリーコーチに就任し、リーグ優勝に貢献。同年引退しました。

引退後

引退後も西武ライオンズに残り、一軍バッテリーコーチ、一軍作戦兼バッテリーコーチを歴任し、チームの黄金時代を支えました。その後、ダイエーホークスのヘッドコーチ、ラジオ大阪の解説者、サンケイスポーツの評論家を経て、阪神タイガースでバッテリーコーチ、球団本部付部長、編成部長、シニアアドバイザー、ヘッドコーチを歴任。矢野燿大選手の育成や、鳥谷敬選手らの獲得に尽力しました。2015年からはTigers-ai解説者、サンケイスポーツ評論家として活動しています。

人物

現役時代はインサイドワークとキャッチングに優れていました。コーチとしては、選手とのコミュニケーションを重視し、育成に力を注ぎました。解説者としては、冷静かつ的確な分析で野球ファンを魅了しています。人柄は「ミスター要領」と呼ばれるほど世渡り上手で、多くの人から慕われています。

詳細情報

詳細な年度別打撃成績や、年度別守備成績は、NPB公式サイトで確認できます。

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