②計画

マル2計画の概要

マル2計画、正式には第二次補充計画は、大日本帝国海軍が策定した重要な海軍軍備計画です。この計画は、ロンドン海軍軍縮条約の締結に応じて策定されたもので、前回の①計画とともに条約で定められた艦艇の保有量を維持する目的がありました。このため、戦力の増強と整備の両面から計画が進められました。

計画の期間と予算の目標

計画は昭和9年度から昭和12年度までの4年間を対象とし、航空隊の整備計画も含めて実施されました。総予算は4億3168万8千円とされ、艦艇48隻の建造および航空隊8隊の整備計画が設定されました。これにより、当時の海軍力の維持・強化が図られることとなります。

艦艇について

条約制限内艦艇

計画に基づく艦艇の種類には、条約制限内の艦艇が含まれており、以下のように構成されることとなりました。

• - 航空母艦 2隻（各1万050t、予算4020万円）

- 蒼龍、飛龍

• - 巡洋艦 2隻（各8450t、予算3126万5000円）

- 利根型：利根、筑摩

• - 駆逐艦 14隻（各1380t、予算676万2000円）

- 白露型：海風、山風、江風、涼風、朝潮型：朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、夏雲、峯雲、霞、霰

• - 潜水艦 4隻（巡潜、海大を含む）

- 伊七型：伊7、伊8、伊一七四型：伊74、伊75

条約制限外艦艇

また、条約の制限を受けない艦艇として以下のものも計画されました。

• - 給油艦 2隻（1万2000t、予算1800万円）

- 剣埼型：剣埼、高崎

• - 水上機母艦 3隻（甲型2隻、乙型1隻）

- 千歳型：千歳、千代田、瑞穂

• - 水雷艇 16隻、駆潜艇 4隻
• - 工作艦 1隻（明石）

なお、当初はさらに8隻の建造が想定されていましたが、友鶴事件の影響で計画は中止され、2400万円の予算は翌年度に減額されました。

航空隊の整備

計画においては、航空隊の整備も重視され、第一計画の航空隊整備計画を前倒しで行いました。総合的に22隊を整備することを目指し、各航空基地での部隊の増設が計画されました。

例えば、霞ヶ浦では艦上戦闘機の半隊が整備され、横須賀では艦上戦闘機の隊が増設されました。さらに、様々なタイプの大型攻撃機や水上偵察機も整備され、全国各地での戦力の強化が図られました。

事件の発生

本計画の実施期間中には、数多くの事件が発生しました。これらは連合艦隊の戦闘能力に対して深刻な疑問を招く事態に繋がります。特に、友鶴事件や第四艦隊事件、朝潮型タービンブレード破損事件など、艦艇設計の過剰な性能追求が原因とされ、これが今後の艦艇設計に多大な影響を及ぼすこととなりました。

このように、マル2計画は海軍戦略において重要な位置を占めており、様々な側面からの軍備整備の意義を持っています。

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