あぐりこ駅

あぐりこ駅の概要

あぐりこ駅（あぐりこえき）は、秋田県雄勝郡羽後町に位置し、羽後交通雄勝線の一部としてかつて存在した鉄道駅です。この駅は1928年8月10日に開業され、1973年4月1日に廃止されるまで、多くの利用者に親しまれていました。駅の所在する地域は、旧・雄勝郡三輪村杉宮元稲田に当たります。あぐりこ駅はその歴史とともに地域の交通の要所としての役割を果たしてきました。

歴史

あぐりこ駅は1928年に開業し、その後1943年に交通統合の影響を受けて横荘鉄道の駅となりました。さらに1944年には鉄道会社名が羽後鉄道に改称され、路線名も雄勝線と定められました。その後、駅は1947年の豪雨による影響で営業を一時休止しましたが、同年8月に再開しました。1952年には再度の名称変更により羽後交通雄勝線の駅として名称が統一されました。最終的に1973年に雄勝線が廃止されることで、この駅も廃止となりました。

駅の構造

あぐりこ駅のイメージは、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。ホームは線路の北側にあり、スロープも設置されていたため、利用者にとって便利な配置でした。駅舎は無人ではありながらも存在し、構内の北側に位置していました。その外観はあぐりこ稲荷に関連する寺社風の構造であり、駅舎前には鳥居が設置されていました。この地は信仰の篤い地域であり、地元の人々に深い愛着を持たれていました。

駅周辺の情報

あぐりこ駅周辺には、元稲田稲荷神社（あぐりこ稲荷）という信仰の場があり、祭りの日などには多くの乗降客で賑わいました。周囲は水田に囲まれており、風景は田園風景が広がる穏やかな地域でした。1995年時点では駅跡は水田の中に消失していましたが、時が経つにつれて周辺は農道や林地に転用されていきました。

国道398号柳田バイパスや羽後交通バスのあぐりこバス停留所が近くにあり、地域の交通面にも影響を与えていますが、鉄道としての存在は消えてしまいました。

現在の状況

現在、あぐりこ駅の駅跡はその名残を感じさせるものはほとんど残っていません。1999年には周辺の線路跡が林の南側の農道に転用されたとの情報もあり、過去の鉄道の賑わいが信じられないほどの静寂が訪れています。

周囲の水田に囲まれたあぐりこ駅の跡地は、当時の賑わいをしのばせる場所として、地域の歴史の一部となっています。あぐりこ駅は今では廃駅となりましたが、その名は地域の人々の心に残り続けています。

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