あさひ型護衛艦 (2代)

あさひ型護衛艦（Asahi-class destroyer）

あさひ型護衛艦は、海上自衛隊が運用する護衛艦で、第二世代の汎用護衛艦（DD）の最終シリーズとして存在します。この艦級は、平成25年度と26年度に各1隻が建造され、母艦となる原型はむらさめ型やたかなみ型といった前世代の艦型に基づいています。

来歴

海上自衛隊は、護衛艦隊の近代化に取り組み、昭和52年度から60年度にかけて第一世代の護衛艦（はつゆき型・あさぎり型）を建造しました。その後、第三世代の護衛艦（DD）の開発に続き、平成3年度から9年度には、むらさめ型として知られる4,400トンの艦が9隻体制で建造されました。さらに、たかなみ型では、装備を強化した4,600トン型が導入され、その後あきづき型が5,000トン級として登場しました。そして、平成25・26年度には、これらを基にした最終グループとしてあさひ型が登場しました。

あさひ型の設計では、これまでの艦艇運用の経験が反映され、対潜戦能力の強化が図られています。特に、新たに追加された多機能レーダーや対潜用の機能が盛り込まれています。

設計

あさひ型護衛艦は、あきづき型を基に、将来的な発展性とコストの低減を意識して設計されています。その外観はあきづき型に類似していますが、艦橋部分には新たにアンテナを集中配置し、後部構造をすっきりとさせています。視認性を高めるための設計もなされ、後方確認のための窓が改良されています。

艦内のトイレシステムにおいては、新幹線などで見られる負圧によるトイレを採用し、従来の浴槽式からの転換が図られています。

機関

あさひ型では、護衛艦として初めてハイブリッド推進機関のCOGLAG方式を採用しました。このシステムは、通常運転時に電気推進を行い、高速運転時にガスタービンエンジンによる直接駆動が可能な設計です。これにより、低燃費が実現され、ライフサイクルコストの改善が期待されています。

ただし、駆動方式に一部制限があり、実際の運用速度は最大15ノット程度との見積もりがあります。これは、過去の護衛艦の運用よりも遅いとの指摘もあります。

装備

あさひ型は、艦の防空能力を省きつつ、対潜戦能力を向上させるためにバイスタティックソナーが搭載されています。戦術情報処理装置には国産のOYQ-13が搭載され、操作の標準化が進められています。

また、対空戦においては、あきづき型に準じた多機能レーダーを搭載し、優れた信号処理能力を確保しています。対空ミサイルや近接防空用のファランクスも装備され、艦尾の射界も改善されています。

航空機・電子戦

艦載ヘリコプターとしては、SH-60K哨戒ヘリコプターが搭載され、通常は1機ですが、必要に応じて2機収容可能です。この艦型では、電子戦装置としても最新の機器が導入されており、効率的な妨害性能が期待されます。

同型艦

あさひ型は、平成25年度に建造費701億円で1番艦が、続けて729億円で2番艦が予算に計上されています。これにより、汎用護衛艦の整備は一旦完了し、次の防衛力整備計画ではこれに関する文言は見当たらなくなりました。

登場作品

あさひ型護衛艦は、いくつかのアニメ作品にも登場し、特に『ゴジラ S.P ＜シンギュラポイント＞』や『ソードアート・オンライン アリシゼーション』にその名が見受けられます。これらの作品では、架空の艦と共に描かれることが多く、海上自衛隊の役割に関心を持つ人々に新たな視点を提供しています。

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