あしたこそ

NHK連続テレビ小説『あしたこそ』

『あしたこそ』は、1968年4月1日から1969年4月5日まで放送された第8作目のNHK連続テレビ小説です。この作品は、連続テレビ小説で初めてカラー放送に移行したことでも特筆されます。全315回の放送を通じて、平凡な日常に奮闘する若者たちの姿をリアルに描きました。

主な内容

物語は、大学入学から卒業、就職、結婚といった様々な人生の節目を迎える主人公、香原摂子の成長を描いています。彼女は人一倍のファイトと行動力を持ち、親や世代の異なる他のキャラクターたちと共に多様な人間模様を展開します。摂子の両親も、彼女の成長を理解しようと奮闘し、物語全体に温かみを与えています。

この作品は、著名な脚本家・橋田壽賀子による脚本が初めて採用されたものでもあり、彼女の独特な視点が作品に深みを与えています。放送中の平均視聴率は44.9%で、最高視聴率は55.5%という記録を打ち立てました（関東地区、ビデオリサーチ調べ）。

放送技術の変化

『あしたこそ』からカラー放送が始まったことは、テレビ業界において大きな転機でした。従来の白黒放送に比べ、カラー放送には様々な技術的課題がありました。特に、フィルムを使用したテレビ画面のキネコ撮影は、カラーの場合、画質が低下するという問題がありました。このため、実際には第315話の最終回のみが現存しており、NHKの番組公開ライブラリーと放送ライブラリーではその最終回が視聴可能です。

キャスト

このドラマでは、以下のようなキャストが登場し、それぞれが生き生きとした演技を披露しました:

• - 香原摂子 役：藤田弓子（ヒロイン）
• - 香原ふみ 役：中畑道子（摂子の母）
• - 香原豊一郎 役：中村俊一（摂子の父）
• - 香原大輔 役：原田清人（摂子の兄）
• - 一郎 役：米倉斉加年（摂子の夫）

その他、数多くの支持を受けてきたキャラクターたちが物語を彩りました。

スタッフ

作品の制作にあたり、原作には森村桂による小説が用意され、脚本は橋田壽賀子と中沢昭二が手掛けました。また、音楽には桑原研郎が関与し、イメージソングには倍賞千恵子の「アシタコソ」が起用され、印象的な楽曲が作品を後押ししました。制作は硲光臣、演出は岸田利彦が担当しました。

結論

『あしたこそ』は、主人公の成長だけでなく、周囲の人々との関わりや社会の変化も描いた感動的な作品です。他の放送作品に影響を与えたこの作品は、視聴者に深い印象を残し、今なお愛され続けています。

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