あの手この手お隣りさん!

あの手この手お隣りさん!



『あの手この手お隣りさん!』は、1977年8月7日から同年9月25日まで、テレビ朝日系列の毎週日曜日20時から20時54分にかけて放送されたテレビドラマです。本作は東宝とテレビ朝日が共同で制作し、全8話が放送されました。バラエティ番組のエッセンスを巧みに取り入れた異色のホームコメディードラマとして企画されました。

物語の舞台は、古き良き情緒を残す下町の商店街です。この一角には、昔ながらの味を守る老舗のそば屋「義士そば」と、時代の流れに乗って売り出し中のハンバーガー店が軒を連ねています。二つの店の主人、そば屋の加茂新吉とハンバーガー屋の新井源二は、互いを商売敵と見なし、日々の売り上げを巡って事あるごとにいがみ合っていました。

平穏ながらも張り合いのある彼らの日常に、ある日突然変化が訪れます。近所に新たにラーメン店がオープンし、「制限時間内にラーメン5杯、餃子50個を完食すれば無料」という、目を引く大胆なサービスを打ち出したのです。これにより、そば屋とハンバーガー屋は客足が激減し、経営に深刻な打撃を受ける事態となります。

共通の危機感を抱いた新吉と源二は、長年の敵対関係を一時的に脇に置き、協力してラーメン屋へ嫌がらせを仕掛けることを画策します。しかし、彼らのこの行動は、事態を思わぬ方向へと導いていきます。どこか頼りないが憎めない警官たちや、一見クールな婦人警官、そして商店街の個性豊かな住民たちまでもがこの騒動に巻き込まれ、予測不能なコミカルな騒動が次々と巻き起こります。人情味あふれる下町の風景を背景に、商売敵だった二人が協力したり、時にはまた反発したりしながら繰り広げる騒動を通じて、登場人物たちの人間模様が暖かくユーモラスに描かれます。

主要な登場人物とキャストは以下の通りです。

老舗そば屋「義士そば」の48歳の主人。義理人情に厚く、頑固な性格。
新吉の妻。45歳。しっかり者で、親分肌と言われる。
加茂家の長男。23歳。新井家の長女・夏子と恋仲。
加茂家の次男。18歳の高校3年生。
ハンバーガー店の55歳の主人。本来は親切で、周囲の評判も良い。
35歳。源二の亡くなった先妻の妹で、義兄にあたる源二と結婚した。
新井家の長女。23歳。加茂家の長男・昭平と恋仲の関係。
  • - 新井冬子: 小山セリノ
新井家の次女。19歳。お喋りで「放送局」とあだ名されている。
義士そばの店員。25歳。
  • - 林リリ: 佐々木梨里
義士そばの店員。20歳。
ハンバーガー店の店員。18歳。
物語の発端となるラーメン店の店主。
商店街を担当する巡査部長。
商店街を担当する婦人警官。
クリーニング店の店員。C級ライセンスを持つプロボクサーでもある。弱い者の味方だが、いつも失敗ばかりする。
悪徳不動産屋だが、どこか抜けていて憎めない42歳の人物。
呉服店の店主。
  • - 仁吉: 柳家小さん
商店街に関わる高齢のヤクザ。

また、本作はレギュラーキャストに加え、当時の人気タレントや著名人が多数ゲスト出演したことでも話題となりました。以下にその一部を挙げます。（順不同）


制作スタッフとしては、プロデューサーを東宝の大貫伊佐雄、テレビ朝日の岩永惠が担当しました。脚本と監督は山路洋平が務め、ディレクターは清水威博、音楽は星野進が手掛けています。技術協力は東通、スタジオは目黒スタジオが使用されました。制作は東宝とテレビ朝日の共同体制で行われています。

全8話と短いシリーズながら、個性豊かなキャラクターと、バラエティ色の強い展開、そしてジャンルを超えた多彩なゲスト出演により、視聴者を楽しませた作品です。

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