近松麗江

近松麗江

1927年5月11日、神奈川県横須賀市に生まれた近松麗江（ちかまつ よしえ）は、日本の女優です。本名を植松芳枝といい、キャリアの初期には近松よし枝、近松良枝といった芸名も使用していました。特技は長唄でした。

彼女の俳優としての歩みは、市川寿美礼との出会いから始まりました。1945年に劇団新派に入団し、舞台女優としてのキャリアをスタートさせます。新派での活動の後、1955年に劇団を離れ、フリーランスとしての道を歩み始めました。フリーとなってからは、市川寿美礼、寺島信子らと共に「竜の落とし子グループ」を結成するなど、新たな活動を展開します。その後、1958年にはプレーヤーズセンターに所属し、1961年2月には自らの劇団である劇団東京新喜劇を結成しました。さらに1963年には中川プロに籍を置くなど、その活動の場と形態は多岐にわたっていました。

近松麗江は、主に舞台やテレビドラマで、作品に深みを与える個性的な脇役として活躍しました。特に、著名な脚本家である平岩弓枝が手掛けた数々のドラマシリーズにおいては、常連出演者として印象的な役柄を演じ、その存在感を強く示しました。

多くの舞台、映画、テレビドラマに出演し、幅広い役柄を演じ分けました。代表的な出演作品には以下のようなものがあります。

出演作品（一部抜粋）

映画

柔の星（1970年）
サインはV（1970年）
挽歌（1976年）- トメ 役
あいつと私（1976年）

テレビドラマ

人形佐七捕物帳（1965年、NHK）
サインはV（1969年、TBS）- 寮の賄い夫婦
時間ですよ（1970年、TBS）- はる
ATTENTION PLEASE アテンションプリーズ（1970年、TBS）- 榊原やよいの母
NHK連続テレビ小説 / 繭子ひとり（1971年、NHK）
東芝日曜劇場（TBS）
夫婦（第782回、1971年）
さらば水着（第1340回、1982年）
女人平家（1971年 - 1972年、ABC）- 更科
青春をつっ走れ（1972年、フジテレビ）- 池田芳江
ありがとう3（1973年、TBS）
お姉ちゃん（1973年、TBS）
寺内貫太郎一家2（1975年、TBS）- 石富夫人
夜明けの刑事（1975年、TBS）- みさと食堂の女将
必殺仕置屋稼業（1975年 - 1976年、ABC）- おふく
お耳役秘帳 第5話「俺は天下のお耳役」（1976年、関西テレビ）- おとら
平岩弓枝ドラマシリーズ（フジテレビ）
女の旅（1976年）
女の河（1977年）
火の航跡（1978年）
夕顔の女（1979年）
彩の女（1980年）
花の影（1982年）
土曜ワイド劇場（テレビ朝日）
青い鳥を撃て（1977年）
戻り川心中（1982年）
尼さん探偵名推理（1989年、ABC）- 二宮ハツエ
殺意の誕生石（1991年）- 松江
赤い嵐（1979年、TBS）- 戸川貴子
ポーラテレビ小説 / マリーの桜（1980年、TBS）- 岡野トミ
ちょっといい姉妹（1981年、TBS）
秋なのにバラ色（1981年、毎日放送）- 高木きく
木曜ゴールデンドラマ（読売テレビ）
女の哀しみが聞こえる（1982年）
嫁と姑の終りなき争い（1982年）
遺産戦争（1984年）
マルタの女（1988年）
お墓やぁ～い!（1989年）
母よ（1990年）
野々村病院物語II（1982年、TBS）
大奥 第44話「天使たちのエロス」（1983年、関西テレビ）- 姉小路
人妻捜査官 第4話「疑惑!?場外馬券売り場の女」（1984年、ABC）
月曜ワイド劇場 / 妻たちの思秋期II（1984年、テレビ朝日）
ザ・ハングマンIV 第19話「未亡人の毒針が替え玉相続人を刺す!」（1985年、ABC）- 雨宮ウメ
娘が愛した人は（1990年、TBS）
おじいさんの台所・二年目（1985年、CBC）
西田敏行の泣いてたまるか 第8話「父ちゃんはタクシードライバー」（1986年、TBS）
家族って（1990年、TBS）
銭形平次 第1シリーズ（1991年、フジテレビ）- おきん
旅情サスペンス「西伊豆・密会ペンション」（1991年、関西テレビ）
月曜ドラマスペシャル（TBS）
遺言パニック !!（1991年）
かあさんはドン？2（1993年）
盗む女（1997年）
妻たちの劇場 / 面影ホテル（1992年、フジテレビ）
サスペンス・魔 / 迷い道（1993年、関西テレビ）
ドラマ新銀河 / 拝啓自治会長殿（1995年、NHK）
ドラマ30 / 愛の産科（1996年、毎日放送）

舞台

花の巴里の橘や
べらんめえ芸者
皇女和の宮
浅草の女
家族熱
大利根囃子
若旦那、飛び出す!!
女の座

近松麗江は1998年10月2日、肺癌のため71歳でその生涯を終えました。長きにわたり日本の演劇界、テレビ界で脇役として確かな存在感を放ち続けた女優でした。

もう一度検索