いいじゃないの幸せならば

いいじゃないの幸せならば

「いいじゃないの幸せならば」は、1969年7月15日に佐良直美がリリースした8枚目のシングルであり、その年の音楽シーンで重要な位置を占める作品です。本曲は、同年開催の『第11回日本レコード大賞』で大賞を獲得し、佐良にとって名実ともにキャリアの頂点の一つとなりました。実際、彼女は1969年の第9回日本レコード大賞で新人賞も受賞しており、これによって佐良は新人賞と大賞の2冠を獲得した数少ないアーティストの一人となりました。

歌詞は岩谷時子が手がけ、作曲は彼女のデビュー曲「世界は二人のために」と同じくいずみたくによるものです。岩谷は「とんでもない作詞をしてきたものである」と自身の著書で述べており、歌詞の内容はやや退廃的な雰囲気を醸し出しています。このような深い歌詞とメロディーが相まって、「いいじゃないの幸せならば」は多くの人々に共感を呼びました。

また、この楽曲は1969年の『第20回NHK紅白歌合戦』でもパフォーマンスされ、その名はさらに広まりました。歌番組やバラエティ番組でも頻繁に取り上げられ、特に1970年にフジテレビ系列で放送された『祭りだ!ワッショイ!』というバラエティ番組の一部で、佐良の歌唱が使用されていたことは注目に値します。

「いいじゃないの幸せならば」は、多くのアーティストにカバーされています。たとえば、桑田佳祐は2008年にチャリティライヴでこの曲をカバーし、そのパフォーマンスはDVDとしても発売されています。他にも、木の実ナナ、ちあきなおみ、夏木マリなど、さまざまなアーティストがこの曲の魅力を自身のスタイルで表現しています。

この曲が収められているシングルには、B面に「涙のおさけ」と呼ばれる楽曲も収録されています。全曲の作詞は岩谷時子、作曲・編曲は引き続きいずみたくが担当。このような強力な作家陣によって、楽曲はクオリティの高いものとなり、長年にわたり愛され続けています。

当時の発売価格は370円で、今でも多くの音楽ファンにとって特別な一曲として記憶されています。

また、この曲は様々な収録作品に登場しており、例えば「GOLDEN☆BEST deluxe 佐良直美 コンプリート・シングルス+ヒット・カバー・コレクション」や「青春歌年鑑 1969 BEST30」など、現在も多くの音楽愛好者に楽しまれています。

「いいじゃないの幸せならば」は、ただの名曲にとどまらず、佐良直美の音楽キャリアにおける重要な作品であり、多くのアーティストによるカバーを通じて今なお新たな世代にその魅力を伝えています。

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