いかづち (護衛艦・2代)

海上自衛隊護衛艦「いかづち」(DD-107)の艦歴



「いかづち」(JS Ikazuchi, DD-107)は、海上自衛隊むらさめ型護衛艦の7番艦として、その艦名を鳴に由来しています。過去には、旧海軍の駆逐艦吹雪型駆逐艦、そして海上自衛隊いかづち型護衛艦にも「いかづち」の名が受け継がれており、本艦は4代目にあたります。

本記事では、「いかづち」の艦歴に焦点を当て、その詳細な活動を記述します。なお、本艦の性能や装備などの概要については、むらさめ型護衛艦の項目をご参照ください。

艦歴



「いかづち」は、中期防衛力整備計画に基づき、平成8年度計画4,400トン型護衛艦2236号艦として、日立造船舞鶴工場で1998年2月25日に起工されました。その後、1999年6月24日に進水、2001年3月14日に就役し、第1護衛隊群第5護衛隊に編入され、横須賀に配備されました。

2002年には、環太平洋合同演習 (RIMPAC) に参加し、国際的な連携を深めました。2003年2月3日から3月28日にかけては、輸送艦「しもきた」と共にテロ対策特別措置法に基づく海上輸送部隊として、タイ王国の建設用重機などの輸送任務に従事しました。同年3月13日には、第1護衛隊群第1護衛隊に編入されました。

2005年7月26日には、テロ対策特別措置法に基づき、補給艦「はまな」と共にインド洋に派遣され、同年11月まで任務に従事しました。12月27日に帰国した後、この派遣以降は2隻派遣体制となりました。同年7月30日には、映画「亡国のイージス」に護衛艦「うらかぜ」役として出演し、話題を呼びました。

2007年4月16日には、房総半島南方沖で護衛艦「きりしま」、「むらさめ」、「たかなみ」と共にインド海軍のミサイル駆逐艦「マイソール」などと、米印両海軍との初の3ヶ国共同訓練を実施しました。同年11月29日には、東京晴海ふ頭に寄港した中国人民解放軍海軍駆逐艦「深圳」の乗組員が訪問しました。

2008年3月26日には、護衛隊の改編により第1護衛隊群第5護衛隊に編入されました。同年4月20日には、新テロ特措法に基づき、補給艦「ましゅう」と共にインド洋に派遣され、同年7月まで任務に従事し、9月4日に帰国しました。

2009年11月9日には、再び新テロ特措法に基づき、補給艦「ましゅう」と共にインド洋に派遣されましたが、2010年1月15日に新テロ特措法が失効したため活動を終了し、2月6日に東京港晴海埠頭に帰国しました。2011年3月16日には、編成替えにより第1護衛隊群第1護衛隊に編入されました。

2012年5月11日には、第12次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖に向けて横須賀を出航しました。僚艦の護衛艦「さわぎり」と合流し、約3週間後から任務を開始しました。同年7月1日には、日中印の三カ国協同による護衛編隊が組まれました。8月30日には、アタランタ作戦を実施している作戦部隊司令官エンリコ・クレデンディーノ伊海軍少将一行の訪問を受けました。10月25日には、横須賀に帰港しました。

2015年3月18日には、第21次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「むらさめ」と共にソマリア沖・アデン湾に向けて横須賀基地から出航しました。同年7月まで任務に従事し、帰国途上の8月19日にはマレーシア西方海域にてマレーシア海軍との親善訓練を実施し、8月30日に横須賀に帰港しました。

2016年5月26日から27日にかけては、伊勢志摩サミットの警戒監視のため、護衛艦「いずも」などと共に名古屋港の金城埠頭に入港しました。

2018年8月5日には、第31次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖・アデン湾に向けて横須賀基地から出航しました。2019年1月6日には、32次隊の護衛艦「さみだれ」に任務を引き継ぎ、帰国途上の1月8日にはパキスタンカラチに寄港し、1月10日にはパキスタン海軍の駆逐艦「タリク」と親善訓練を実施しました。1月27日から31日までフィリピンマニラに寄港し、同港及び周辺海域でフィリピン海軍と親善行事や捜索救難訓練、戦術運動などの共同訓練を実施しました。2月9日には、帰国しました。

2020年8月15日から18日にかけては、沖縄南方海空域において米海軍空母「ロナルド・レーガン」などと共同訓練を実施しました。同年9月7日から10月17日にかけては、「かが」と共に令和2年度インド太平洋方面派遣訓練に参加し、インド太平洋地域の各国海軍との共同訓練などを実施しました。この間、南シナ海での日豪共同訓練、スリランカ海軍との共同訓練、インド海軍との共同訓練、潜水艦との対潜戦訓練、米海軍との共同訓練など、多様な訓練を行いました。

2021年9月18日から24日にかけては、沖縄南方海空域で護衛艦「ちょうかい」と共に日米共同訓練を実施し、米海軍からは空母「カール・ヴィンソン」などが参加しました。2022年12月2日から8日にかけては、関東南方から四国南方に至る海空域で米海軍空母「ロナルド・レーガン」などと日米共同訓練を行い、各種戦術訓練を実施しました。

2023年6月5日には、第45次派遣海賊対処行動水上部隊(中東地域における情報収集活動兼務)としてソマリア沖・アデン湾に向けて横須賀基地から出航しました。同年7月22日には、EU海上部隊(スペイン海軍フリゲート「ナバラ」)と海賊対処共同訓練を実施し、8月3日にはアラビア海でオマーン海軍の哨戒艦「AL-RAHMANI」と共同訓練を実施しました。9月8日にはEU海上部隊のイタリア海軍多用途哨戒艦「フランチェスコ・モロシーニ」と海賊対処共同訓練を実施、10月6日にもEU海上部隊フリゲート「ナバラ」と共同訓練を行いました。11月12日には、ジブチ海軍哨戒艇との巡航訓練を行い、12月6日と7日には南シナ海で米海軍沿海域戦闘艦「ガブリエル・ギフォーズ」と各種戦術訓練を実施しました。12月15日には横須賀に帰港し、翌16日に帰国行事が行われました。

現在、「いかづち」は第1護衛隊群第1護衛隊に所属し、定係港は横須賀です。

歴代艦長



(歴代艦長のリストは省略)

ギャラリー



(ギャラリーの画像に関する記述は省略)

脚注



(脚注のリストは省略)

参考文献



石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年
世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
世界の艦船』第750号(海人社、2011年11月号)

関連項目



(吹雪型駆逐艦)

外部リンク



* 海上自衛隊 「むらさめ」型護衛艦

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