いかづち型護衛艦

いかづち型護衛艦について

いかづち型護衛艦（英名: Ikazuchi-class destroyer escort）は、海上自衛隊の護衛艦の一つであり、日本で初めて国産として建造された護衛艦の艦級です。この艦は昭和28年度計画に基づいて建造され、艦名は旧日本海軍の雷型駆逐艦に由来し、海上自衛隊の艦艇としては三代目にあたります。建造コストは約16億円で、効率的かつ高性能な艦艇を目指して開発されました。

背景と創設

1951年、連合国軍のマシュー・リッジウェイ大将は、日本にパトロール用の軍艦を提供する提案を行いました。この提案を受け、1952年には海上保安庁内に海上警備隊が設立され、将来的な海軍の基盤が整えられました。最初の護衛艦は、1953年に連合国から貸与される形で提供され、次第に運用基盤が整いました。しかし、整備が進む中で新たな護衛艦の必要性が浮き彫りになりました。

状況を受けて、1952年末には新たに130億円が艦船建造費に振り向けられ、いかづち型の建造が決定されました。この艦は、蒸気タービンを使用した「あけぼの」とディーゼル主機を採用したいかづちの競作の一環として計画されました。

設計と艦体

いかづち型護衛艦の設計は、財団法人船舶設計協会に委託して行われました。艦体は平甲板船型であり、風の影響を受けにくい構造を採用しました。また、機関部にはデザインに配慮がなされ、ディーゼル主機を採用することでコンパクト化が実現されました。この結果、乗員一人あたりのスペースが確保され、居住性が向上しました。

機関と性能

いかづち型には、2ストローク直列9気筒の排気ターボ過給機付きディーゼルエンジンが搭載されており、各艦は6,000馬力を最大出力として26ノットの速度で航行可能です。これは、当時の艦船において非常に高出力のエンジンでした。燃料効率が高く、航続距離も長い特性を活かし、長時間の運用が可能でした。

装備と兵装

いかづち型の装備は、当時の他の護衛艦と共通の設計がなされており、レーダーやソナーを用いた探知能力が強化されています。特に、対空・対水上のレーダーをそれぞれ搭載し、精密な捜索能力を持っています。武器システムも充実しており、艦砲や対空兵器、対潜兵器を装備し、バランスの取れた攻撃能力を誇ります。

運用史とその後

二番艦「いなづま」は1956年に竣工し、その後、自衛艦隊の一員として数々の任務を果たしてきました。しかし、時代の変化とともに護衛艦の艦隊の編制や任務も変化し、いかづち型も徐々に能力の更新が必要となりました。1960年代には老朽化が進み、最終的に1983年に除籍されています。

関連作品

いかづち型護衛艦は、ゲームなどのメディアでも対象とされており、特に『WarThunder』では登場艦艇として実装されています。これにより、世間の注目を集め続けている艦艇の一つです。

いかづち型護衛艦はその設計、性能、運用において識別可能な特徴を持ち、日本の護衛艦の発展の基礎を築いた艦級であると言えるでしょう。

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