いきなり!ステーキ

いきなり！ステーキ

「いきなり！ステーキ」は、ペッパーフードサービスが展開するステーキレストランチェーンです。特徴的な立ち食いスタイルと、グラム単位で注文できるオーダーカット方式で人気を博しました。ここでは、その概要、沿革、店舗展開、そして近年の状況について詳しく解説します。

概要

「いきなり！ステーキ」は、手頃な価格で本格的なステーキを楽しめることをコンセプトに誕生しました。かつては予約不要の立ち食いスタイルが特徴でしたが、近年では椅子席を設けた店舗も増えています。オーダーカット方式では、客が好みの肉の種類と量を指定し、店員がその場で切り分けて焼き上げます。グラム単位で価格が設定されており、ヒレステーキは200g以上、その他のステーキは300g以上から注文可能です。

沿革

ペッパーフードサービスの創業者である一瀬邦夫氏は、「ステーキを低価格で提供する」という構想を抱いていました。2013年、俺のフレンチの立ち食い業態に触発され、自らの構想を具現化することを決意。「いきなり！ステーキ」1号店は、2013年12月5日に銀座4丁目にオープンしました。

その後、急速な店舗展開を遂げ、2018年11月には全47都道府県への出店を達成。最盛期には366店舗を展開しました。フランチャイズ展開も積極的に行い、一時はラーメンチェーン「幸楽苑」もフランチャイジーとして参入し、大量出店に拍車がかかりました。

独自のサービスとして、「肉マイレージ」というポイント制度を導入。ステーキのグラム数に応じてポイントが貯まり、様々な特典と交換できるというもので、顧客の来店頻度向上に貢献しました。

2017年には海外進出も果たし、ニューヨークに1号店をオープン。しかし、現地の商習慣との違いから苦戦し、2019年には複数の店舗を閉店しています。

2018年には、品川シーサイドフォレスト店で「レストランにて24時間で販売されたビーフステーキ最多食数」のギネス世界記録に挑戦し、見事達成しました。

店舗展開

2023年7月現在、35都道府県に220店舗を展開しています。かつては全都道府県に出店していましたが、2020年以降、不採算店舗の閉鎖が相次ぎ、撤退する県も出ています。

近年の状況

積極的な店舗拡大戦略が奏功した一方で、店舗数の増加による競争激化、人件費の高騰、食材価格の上昇などが経営を圧迫。2018年頃から既存店の売り上げが減少し始め、2019年には赤字に転落しました。

顧客からのクレーム増加もブランドイメージを損ねる要因となりました。急激な店舗拡大に人材育成が追いつかず、サービス品質の低下を招いたことが原因と見られています。

業績不振を受け、ペッパーフードサービスは不採算店舗の閉鎖、メニューの見直し、ポイント制度の変更などの改革を実施。2022年には、一瀬邦夫社長が引責辞任し、長男の一瀬健作氏が後任として社長に就任しました。

現在、「いきなり！ステーキ」は、経営再建に向けて様々な取り組みを行っています。2022年にはフィリピンに初出店するなど、海外展開も再開しています。また、お笑い芸人をアンバサダーに起用するなど、新たな顧客層の開拓にも力を入れています。

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