品川シーサイドフォレスト

品川シーサイドフォレストは、東京都品川区東品川四丁目に位置する大規模な複合施設です。このエリアは、かつて日本たばこ産業の工場などがあった場所で、その跡地が再開発によってオフィスビルや商業施設が集まる新たな街区へと生まれ変わりました。一般的には「品川シーサイド」という名称で親しまれています。

開発の背景

品川シーサイドフォレストの再開発は、地域の変遷と密接に関わっています。昭和初期、この地域は京浜工業地帯の一翼を担う工業用地として埋め立てられましたが、昭和50年代以降、工場から住宅や倉庫への転換が進みました。さらに昭和60年代に入ると、残っていた工場もオフィスや住宅へと建て替えられ、開発時には、住宅、オフィス、倉庫、工場が混在する地域となっていました。

日本たばこ産業は、工場の移転に伴い、遊休地となった土地の利用を検討し始めました。また同時期に、りんかい線の延伸計画が進み、八潮団地の住民のアクセス改善のため、東品川地区への新駅設置が望まれていました。これらの状況を踏まえ、新駅設置費用の一部を負担することで合意し、工場跡地の再開発が決定しました。

当初はダイエーも参画し、オフィス棟の一部を取得して本社を移転、さらにディスカウントストアの「コウズ品川店」を出店する計画でしたが、業績悪化により撤退。一時、計画は頓挫しましたが、イオンの進出が決まり、再び動き出しました。再開発は、りんかい線の開業に合わせて交通広場を整備する必要性や、定住人口増加のための住宅整備が求められたため、市街地再開発事業として実施されることになりました。

事業は二地区に分けられ、第一地区は日本たばこ産業と都市基盤整備公団（当時）が、第二地区は鹿島建設がそれぞれ事業を推進。2002年9月には第一期が竣工、イオン品川シーサイドショッピングセンターがオープンし、同年12月には品川シーサイド駅が開業。2005年8月には第二地区のビルが完成し、大規模開発は完了しました。

歴史

品川シーサイドフォレストの歴史を年表形式でまとめました。

1992年9月：日本たばこ産業品川工場移転計画に伴う土地利用研究会が発足
1998年3月：都市計画決定が告示
1998年8月：ダイエーが再開発事業から撤退
2000年2月：工事着工
2002年9月：第一期が竣工
2002年10月：イオン品川シーサイドショッピングセンターが開業
2002年12月：品川シーサイド駅が開業
2005年8月：第二地区の施設建築物が竣工し、全体が完成
2006年6月：京浜運河沿いにハートンホテル東品川が竣工
2006年10月：京浜運河沿いにBrilliaタワー品川シーサイドが竣工
2009年11月：京浜運河沿いに住友不動産品川シーサイドビルが竣工
2010年2月：京浜運河沿いにグラスキューブ品川（オフィスビル）が竣工
2014年6月：海岸通り沿いにFUT MESSE品川（フットサルコート）が開業
2016年5月：FUT MESSE品川が閉店
2019年2月：FUT MESSE品川跡地にプライムパークス品川シーサイドが竣工

第一期で竣工した主な施設

イオン品川シーサイドショッピングセンター

品川シーサイドの中心的な商業施設で、地域住民だけでなく、周辺に勤務する人々にも利用されています。

オーバルガーデン

ビルに囲まれた半地下の広場で、飲食店や物販店、クリニックなどが並んでいます。休日には子供向けのイベントも開催され、マスコットキャラクターが登場します。

品川シーサイドパークタワー

敷地北西部に位置するオフィスビルで、隣接する品川シーサイドTSタワーとツインビルを構成しています。かつてはパナソニックタワーとして利用されていましたが、現在は複数の企業が入居しています。

品川シーサイドTSタワー

品川シーサイドパークタワーと並ぶオフィスビルです。かつては楽天の本社が入居しており、「楽天タワー」として知られていました。現在は、ソニーネットワークモバイルコミュニケーションズなどが入居しています。

日立ソリューションズタワーA

日立ソリューションズの本社が入居するオフィスビルです。以前は日立ソフトウェアエンジニアリングの本社機能を集約していました。

品川シーサイドキャナルタワー

旧日立ソフトタワーBで、現在は複数の企業が入居しています。2021年に名称が変更されました。

品川シーサイドビュータワーI・II

都市基盤整備公団が建設した高層賃貸住宅で、品川区緑化賞を受賞しています。

第二期で竣工した主な施設

品川シーサイドイーストタワー

複合ビルで、上層階には「ロワジールホテル品川シーサイド」が入っています。その他、多くの企業が入居しています。

品川シーサイドウエストタワー

オフィスビルで、三菱総研DCSやプリマハムが入居しています。

品川シーサイドサウスタワー

オフィスビルで、東京海上アシスタンスやNTTコムウェアなどの企業が入居しています。

広場空間

品川シーサイド公園：品川シーサイドビュータワーの前にある公園で、遊具も設置されています。
品川シーサイド駅前広場：駅へのアクセスやタクシー・バスの利用に便利な広場です。
ジュネーヴフォレスト：花時計が設置された広場です。

交通アクセス

鉄道：東京臨海高速鉄道りんかい線品川シーサイド駅直結
バス：都営バス（品91、品93、井92系統など）で品川シーサイド駅前、都立八潮高校前、都立高専前下車
* その他：品川駅、大井町駅からの都営バス、イオン品川シーサイドショッピングセンター行きの無料循環バス

品川シーサイドフォレストは、都心へのアクセスも良く、オフィスワーカーや地域住民にとって、便利で快適な空間となっています。再開発によって、大きく変貌を遂げたこのエリアに、ぜひ一度足を運んでみてください。

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