いすゞ・C系

いすゞ・C系 大型路線バス

いすゞ・C系は、1980年から1984年にかけていすゞ自動車によって製造された大型バスです。このモデルは、いすゞのバスラインナップの中で特に重要な役割を果たしました。ユーザーからの冷房車両のニーズに応えるべく、1980年に排出ガス規制にも対応したモデルチェンジが行われ、C系が誕生しました。C系には主に路線用の「C＊M」と観光用の「C＊A」があり、ここではC＊Mについて詳述します。

C系の背景

いすゞ・C系は、長年にわたり生産され続けてきたいすゞ・BU系の後継として位置づけられています。BU系バスは、路線バスのロングセラーとして18年間製造され、新しいデザインのスケルトン車体を採用したキュービックへの移行期にあたる4年間だけの製造でした。このような過渡期の中でC系は、多くのバス事業者に広く利用されたモデルにもなりました。

C系の生産と改良

1983年、C系は大きな改良を施されました。この年、標準架装に川重車体工業製の車体が導入され、前面のリベットレス化が進み、大型方向幕が標準装備されました。また、エンジン回転計も運転席の埋め込み式に変更され、利便性が向上しました。加えて、札幌市営バス向けの特製車両では、屋根のデザインをLV系に似せた試作車体が登場しました。1984年には運転席の窓が拡大され、より快適な運転環境が提供されましたが、この年にキュービックへのモデルチェンジが行われることで、C系の製造は終了しました。

車体のデザインと特徴

C系の標準架装車は川重車体工業によるもので、BU系のデザインを引き継ぎつつ、前面は傾斜した曲面ガラスが採用されています。バンパー形状も改良され、視覚的に一新された印象を与えます。行先表示をより目立たせるために、大型方向幕が内蔵される設計も特徴的です。また、エンジン冷却用のルーバー金網内部には設計に工夫が施されており、業務用バスとしての特性が活かされています。

初期モデルにはBU系で使用されていた窓拭きワイパーが搭載され、大きな金網の空気取り入れ口も特徴的です。運転席のメーターパネルは、異なる形状の長方形が配されており、機能性とともにデザイン性を両立させています。

C系は、富士重工業や日野車体工業によっても架装され、様々なバリエーションが存在しました。特に富士重工製は、1982年までのモデルが13型、以降が15型となり、そのバリエーションの豊かさを物語っています。

型式名の構造

C系の型式名は、排出ガス規制に適合することを示す「K-」から始まり、続いてシリーズ名「C」、エンジン指定のアルファベットとサスペンションの種類を示すアルファベット、最後にホイールベースを示す数字の組み合わせで成り立っています。

C系の文化的影響

いすゞ・C系は、いくつかのメディア作品にも登場しています。漫画やテレビCMなどで、当時の生活の一部として描かれており、文化的な象徴でもあります。

いすゞ・C系はその革新性とバス業界における重要なモデルとして、現在も多くの人々に記憶されています。このモデルは、いすゞ自動車のバス作りの歴史と、乗客の快適な移動の一翼を担ったことは間違いありません。

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