いつかギラギラする日

映画『いつかギラギラする日』の概要

『いつかギラギラする日』は、1992年に公開された日本のアクション映画で、深作欣二監督が手掛けています。この映画は、1980年代に女性映画や文芸作品を多く制作していた深作が、映画界の有力プロデューサーである松竹の奥山和由とタッグを組み、久々にアクションジャンルに挑戦した作品です。

制作背景とエピソード

当初、製作予算は約3億円に設定されていましたが、撮影には膨大な台数の車両破壊や火薬の使用、さらには銃撃シーンが多く含まれたため、実際の制作費は11億円にまで膨れ上がりました。この大規模な制作にもかかわらず、興行成績は期待されたほどには振るわず、深作監督はショックを受けたと言われています。また、本作の制作によって、制作会社が一社倒産するという事態も生じました。

映画は、ギャング同士の現金争奪戦を描いており、北海道を舞台にした爆破シーンやカーチェイスが見どころとなっています。ヒロインを演じた荻野目慶子は、愛人の河合義隆監督の自殺後、1年ぶりの復帰となり、彼女と木村一八のラブシーンも話題を呼びました。荻野目はこの作品で日本アカデミー賞の助演女優賞を受賞しています。

ストーリーのベース

物語は、観光シーズンの洞爺湖を舞台に、リゾートホテルの売上金を運ぶ現金輸送車が、壮瞥町郊外で襲撃されるところから始まります。成功を収めた強盗たちは仲間割れに見舞われ、鼻を潰されたプロの強盗やロック青年、ヤクザに雇われたシャブ中の死神などが絡まり合い、悪党たち同士の殺し合いが展開されます。計画を持ち込んだ角町は、強奪に成功するも、手に入れた現金は期待以下の額だったため、仲間同士の争いが激化します。

主なキャスト

映画には萩原健一、木村一八、多岐川裕美など、実力派のキャストが集結しています。萩原健一はギャングのボス神崎役を演じ、木村一八は函館のライブハウスのオーナー角町として登場します。また、麻衣役に荻野目慶子、井村役に石橋蓮司、柴役には千葉真一がキャスティングされています。その他にも樹木希林や八名信夫などの名優が出演しており、豪華な顔ぶれとなっています。

カーアクションと制作の苦労

映画の見どころの一つは、ダイナミックなカーアクションです。撮影には、萩原健一が運転する国産車「テラノ」と、木村一八が操る「ポンティアック・ファイヤーバード」が使用され、迫力満点のカーチェイスシーンが展開されます。しかし、撮影中は台風に見舞われ、神奈川県内でもロケが行われたというエピソードもあります。

映画の評価と影響

本作は特にアクションシーンの迫力に加え、当時の日本映画界における状況を反映している部分でも注目されています。後に「いつかギラギラする日2」として続編の制作が発表されましたが、制作途中で中止になるなど、本作の後にも影響を残しました。深作監督の挑戦が見事に表現されたこの作品は、日本のアクション映画の中でも特筆すべき一作といえます。

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