いわて子どもの森

岩手県立児童館 いわて子どもの森

岩手県二戸郡一戸町に広大な敷地を持つ「岩手県立児童館 いわて子どもの森」（英称: Children's Center of Iwate pref.）は、岩手県で唯一となる大型児童館（B型）として位置づけられています。

目的と特徴

当施設は、児童福祉法第40条に定められた児童厚生施設の一つです。その最も重要な目的は、子どもたちが様々な「遊び」の体験を通じて、心身ともに健やかに成長していくことを促す点にあります。この施設の理念は、「おとなもこどもも　のんびり　ゆっくり　ぽけーっとしようよ」というユニークな合言葉に込められています。

いわて子どもの森は、単なる遊び場にとどまらない複合施設としての機能も有しています。広大な敷地内には、本格的なキャンプ場や宿泊施設、そして子どもたちの創造力や体力を刺激する大型遊具設備などが整備されています。これらの施設が一体となることで、子どもたちの健全な発達を促進するだけでなく、地域全体の健全な育成機能も担う拠点としての役割を果たしています。

利用者層と運営方針

施設の所在地は岩手県北部に位置しますが、八戸自動車道や東北新幹線の最寄り駅から比較的アクセスしやすいことから、岩手県外からの利用者も多く、全体の約4割を占めています。特に興味深いのは、地形や交通の便から岩手県南部よりも青森県南東部からのアクセスが容易なため、青森県からの利用者が全体の約2割を占めている点です。このように、県境を越えて多くの家族に利用されています。

県外からの利用者に対する施設の運営費は岩手県が負担していますが、これについて施設職員は「どこから来ても子どもは子どもである」という考えを強調しています。そして、「この地域や県といった範囲にとどまらず、日本全体の子どもたちが安心して遊べる環境を守るという使命感を持って日々の業務に取り組んでいる」と語っており、その運営方針には子どもの福祉を最優先する強い意志が伺えます。

沿革

施設の歴史は、1996年に「すこやか子どもランド（仮称）」として事業計画が着手されたことに始まります。その後、建設期間を経て、

2003年5月5日：満を持して「いわて子どもの森」として開館。初日から1万人を超える来館者があり、大きな注目を集めました。
2008年7月20日：開館から約5年で、累計入館者数が100万人を突破しました。
2010年4月：館内の主要な遊び場がリニューアルされ、より魅力的な空間となりました。
2011年2月：公募によって、施設の公式キャラクターの愛称が「ぽけっとりー」に決定しました。
2013年7月21日：開館から約10年で、累計入館者数が200万人を突破。
2018年5月3日：累計入館者数が300万人を突破。
2025年3月30日：累計入館者数が400万人を突破する見込みです。

これらの記録は、施設が多くの人々に愛され、利用され続けている証と言えるでしょう。

施設情報

開館時間：午前9時から午後5時まで。
休館日：毎週火曜日（ただし、火曜日が祝日の場合は翌日が休館）、年末年始。この他、施設の維持管理のため年間4回の整備休館があります。
アクセス：
車を利用する場合：八戸自動車道の一戸インターチェンジから国道4号線を南へ約28キロメートルです。
公共交通機関を利用する場合：IGRいわて銀河鉄道線の奥中山高原駅で下車し、岩手県北バスの「いわて子どもの森行き」に乗車、終点「いわて子どもの森」で降車してください。

周辺施設

施設の周辺には、国の史跡である御所野縄文公園（一戸町）や、冬期間はスキー場として賑わう奥中山高原スキー場（一戸町）などがあります。

岩手県立児童館いわて子どもの森は、豊かな自然の中で、子どもたちがのびのびと遊び、学び、成長できる貴重な施設として、これからも多くの家族に利用され続けることでしょう。

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