い号作戦

い号作戦について

い号作戦（いごうさくせん）は、1943年4月、日本海軍が南東方面艦隊と第三艦隊を中心に展開した航空攻撃作戦です。この作戦は、ガダルカナル島やニューギニア島南東部のポートモレスビー、オロ湾、ミルン湾に対するもので、主に艦載機を用いて行われました。作戦は1943年4月7日から15日までの間に実施され、特に初日の空襲は大本営によって「フロリダ沖海戦」と称されました。名付け親は作戦名にあやかったもので、い号は「いろは順」の最初の文字に由来しています。

背景

1942年の年末、日本軍はガダルカナル島からの撤退を決定し、作戦焦点をニューギニア方面に移しました。これを受けて、1943年1月には南太平洋方面作戦に関する陸海軍の協定が結ばれ、両軍は共同して攻勢を強める方向に向かいました。

その後、日本軍は2月のケ号作戦でガダルカナルから撤退し、輸送作戦や攻撃を通じてニューギニア方面を強化する計画を立てることになりました。一方で、陸軍と海軍の間には信頼関係が薄く、現場での連携に課題が残っていました。

作戦計画と実施

い号作戦の立案の時期は不明瞭ですが、作戦開始の直前に連合艦隊が独自の判断で実行することが決定されました。作戦の目標として、連合軍の反攻を撃破し、供給路を確保することが掲げられました。

1943年4月5日から始まる作戦はX作戦とY作戦に分かれており、その後の連続した航空攻撃が計画されました。初日はX攻撃としてガダルカナルを目指し、続いてY攻撃がポートモレスビー等を攻撃する形で進行しました。

実施した攻撃の詳細

X攻撃（4月7日）

攻撃日には、ガダルカナル島周辺に日本艦隊の艦載機が次々に派遣され、ついに接触した連合軍の防空網を突破することができました。最初の撃墜数は37機に達し、連合軍側に艦艇の損失も与えましたが、日本側は12機の零戦と11機の艦爆を喪失しました。空軍の状況は厳しく、搭乗員も消耗が激しい状況でした。

Y攻撃（4月11日〜14日）

続くY攻撃では、ポートモレスビーやオロ湾、ラビに対して攻撃が実施されました。この期間においても、連合軍の反撃を受けながらも一部成功したものの、結果的には広範な損失を被りました。

作戦の終結とその後

い号作戦は4月16日に終結しました。その後連合艦隊は作戦の成果を評価し、連合軍に一定の打撃を与えたことは認められたものの、作戦中の損失は大きく、航空戦力の低下も見られました。

特に、作戦後の評価では連合軍の大規模な反撃に対する対抗能力が低下したことが懸念され、次の作戦への影響が危惧されました。同時に、指揮を執っていた山本五十六大将が4月18日に空戦に巻き込まれて戦死することになり、これが日本海軍の空軍戦力にさらなる打撃を与えました。

総じて、い号作戦は日本海軍の航空作戦の重要な転換点となり、その影響は以後の戦局に深く関与しました。

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