うつくしま未来博

うつくしま未来博について

うつくしま未来博（うつくしまみらいはく）は、2001年の7月7日から9月30日まで福島県須賀川市で開催された地方博覧会で、日本初の森の中での博覧会として名を馳せています。この博覧会は、持続可能な社会の実現を目指す多極分散型のライフスタイルを提案し、環境問題や人口集中といった21世紀の課題に対する解決策を模索する場でした。

開催背景とテーマ

博覧会のテーマは「自然との共生」で、自然関連のイベントが多数行われました。このテーマは1999年に開催された南紀熊野体験博が影響を与えており、パビリオン中心のイベントとは一線を画すスタイルでした。また、同時期に行われた山口きらら博、北九州博覧祭2001との情報交換も行われ、地域の知恵を結集した内容になっています。

開催地となる須賀川テクニカルリサーチガーデンは約46ヘクタールの広さを持ち、この博覧会は172億400万円の収入に対し、支出は160億300万円という結果で、約11億7千万円の黒字を計上しました。博覧会の目標来場者数は200万人でしたが、実際には165万7,002人が訪れ、猛暑の影響で序盤は来場者が少なかったものの、中盤からは来場者数が増加し、最高では9月23日に62,621人が来場しました。

パビリオンの紹介

博覧会には12のパビリオンが設けられ、その中には『からくり民話茶屋』があり、福島県の民話を紹介する場として人気を博しました。この施設は閉幕後に郡山駅内に移転したが、2016年に閉店しています。

さらに、博覧会終了後に須賀川市が引き継いで開館した『なぜだろうのミュージアム ムシテックワールド』は昆虫と科学をテーマにした施設で、唯一、そのまま残され今も運営されています。その他にも、最先端技術を体験できる『企業未来館』などがありました。

沿革と設定

この博覧会は1993年から県民運動の一環として開催が決まり、1995年には名称、会期、テーマが確定しました。名称は「うつくしま未来博」で、会場は須賀川市の須賀川テクニカルリサーチガーデン内に設定され、テーマは「美しい空間 美しい時間」となりました。1996年には主体となる「うつくしま未来博協会」が設立され、着々と準備が進められました。

2000年の4月にはイメージソングも決まり、岩崎宏美が歌う「永遠の心」が選ばれ、虜にする歌声が多くの人々を魅了しました。最終的に、2001年4月から始まったデスティネーションキャンペーンを経て、開幕を迎えました。

会場でのエピソード

博覧会中には夜間にウォータースクリーンを利用した演劇『うつくしまナイトファンタジー』が上演され、観客を楽しませました。また、ラジオ福島が会場に設けたサテライトスタジオからの放送も行われ、知念里奈のライブイベントも開催されました。

しかし、猛暑の影響で熱中症に倒れる人が相次ぎ、これは休憩所や日陰が不足していたためと言われています。さらには、福島県内の小中学校が無償で入場できる特権を与えられていたため、遠足以外で学校単位で訪れる姿も見受けられました。

閉幕後の状況

博覧会の成功にもかかわらず、開催された須賀川テクニカルリサーチガーデンのその後は厳しいものでした。分譲計画があったものの、交通便の悪さから多くの土地が売れ残り、その後の開発が難航しました。最終的には、韓国系の50階建てマンション建設の構想もあったが、それは中止となりました。

結論

うつくしま未来博は、地域の結集を促し、未来に向けた知恵や技術を紹介する重要なイベントでした。24年前に開催されたこの博覧会は、今なおその理念や影響を残すものであり、地域のプロジェクトや運動に多大な影響を与え続けています。関わったすべての人々にとって、貴重な経験として記憶に残ることでしょう。

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