うらかわ優駿ビレッジAERU

うらかわ優駿ビレッジAERU：馬と自然と人をつなぐ、北海道浦河町のオアシス

北海道浦河郡浦河町に位置する「うらかわ優駿ビレッジAERU」は、広大な敷地を誇る総合保養施設です。雄大な日高山脈を望むこの地は、「馬と自然とふれあえる里」というコンセプトのもと、1998年にオープンしました。浦河町と日本中央競馬会（JRA）の共同事業として誕生したAERUは、第三セクターであるうらかわ優駿の里振興株式会社が運営しています。

施設概要と魅力

AERUは、入浴施設、レストラン、ホテルフロントのあるウエルカムセンターを中心に、2棟の優駿ロッジ、ゲート厩舎、広大な放牧場、そしてゴルフ場などで構成されています。乗馬体験などのアクティビティも充実しており、乗馬初心者向けの講習付きトレッキングコースも用意されています。

宿泊施設は、ツインルームや和洋室、バリアフリールームなど、多様なニーズに対応できるよう整備されています。特にツインルームは20平方メートル以上の広さを誇り、バス・トイレもセパレート。2階客室は天井が高く、リゾートホテルのような快適さを提供しています。団体客向けの8人部屋も備えています。

AERUの魅力は、その広大な敷地だけではありません。すぐれた競走馬を意味する「優駿」の名にふさわしく、多くのサラブレッドが余生を過ごしており、競馬ファンならずとも馬好きにはたまらない空間です。宿泊者向けには、近隣のJRA日高育成牧場見学ツアーも開催されています。現在繋養されている馬には、スズカフェニックス、オウケンブルースリ、マイネルキッツ、ナカヤマフェスタなどがいます。過去には、リワードウイング、サニーブライアン、エルウェーウィン、ケイティタイガー、ダイユウサク、ニッポーテイオー、ヒシマサル、タイムパラドックス、ウイニングチケットなど、多くの名馬がここで穏やかな日々を過ごしました。

温泉問題と経営再建

AERUには、「あえるの湯」という大浴場があります。日高山脈と優駿の里を一望できる絶景が魅力で、日帰り入浴も可能です。しかし、この温泉は、開業当初から波乱に満ちた歴史を歩んできました。

1999年、浦河町が巨額の公金を投じて温泉掘削を行いましたが、その後、源泉が近くの沢の水ではないかとの疑惑が浮上し、2006年には地下水の不正利用が発覚。温泉としては基準外と認定され、「あえるの湯」は水道水の沸かし湯へと変更されました。この一件は、大きな社会問題となり、浦河町の信用は大きく失墜しました。

この温泉問題に加え、地理的な問題も経営を圧迫しました。市街地から離れた立地のため、道外からの観光客誘致に苦労し、長らく経営再建の道を模索してきました。

『ウマ娘』効果と新たな可能性

しかし、近年、新たな転機が訪れました。2020年代に入り、スマートフォンゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の人気が高まるにつれ、20～30代の若い世代の来場者が増加。運営側は「ウマ娘の影響は計り知れない」と語っています。

ロケ地としての魅力と優駿の里公園

AERUを含む「優駿の里公園」は、広大な敷地と美しい景観から、数々の映像作品にもロケ地として提供されてきました。ドラマ「ふしぎな話」や映画「北の零年」など、北海道を舞台にした作品でその雄大な風景を見ることができます。

公園内には、乗馬体験施設のほか、パークゴルフ場、歩くスキーコース、ドッグラン、サッカー場、体験農園なども整備されており、様々なアクティビティを楽しむことができます。

まとめ

うらかわ優駿ビレッジAERUは、幾多の困難を乗り越えながら、現在も進化を続けています。温泉問題や経営難といった課題を克服し、新たな観光客を呼び込み、地域活性化に貢献している姿は、多くの人々に勇気を与えるものです。雄大な自然と馬とのふれあい、そして充実した施設が一体となったAERUは、北海道の新たな魅力を発見できる場所と言えるでしょう。今後、AERUがどのように発展していくのか、注目が集まります。

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