うらバン!

『うらバン! 〜浦和泉高等学校吹奏楽部〜』

『うらバン! 〜浦和泉高等学校吹奏楽部〜』（うらバン うらいずみこうとうがっこうすいそうがくぶ）は、都桜和による日本の4コマ漫画作品です。芳文社の月刊雑誌『まんがタイムきららキャラット』にて、2007年8月号から2011年12月号にかけて連載されました。また、『まんがタイムきらら』（無印）の2010年7月号にもゲストとして掲載されています。

概要

物語は、浦和泉高校に入学した鈴杉冬美が、吹奏楽部への入部を希望するところから始まります。しかし、説明会で部員が先輩の川坂千夏ただ一人であることを知り驚愕します。その後、冬美の友人である速馬コハルも加わり、半ば強引に入部することになります。物語は、部員が増え、最終的に6名となった吹奏楽部員たちの、ゆるやかなスクールライフを描いています。

この漫画は、クスッと笑えるユーモアにあふれながらも、腹筋トレーニングや楽器演奏など、吹奏楽部のリアルな活動も描いているのが特徴です。「浦和泉高等学校」は「うらいずみこうとうがっこう」と読むのが正しく、「うらわいずみ」は誤読です。また、「浦和泉」は架空の地名であり、実在する高校ではありません。

登場人物

鈴杉 冬美（すずすぎ ふゆみ）

本作の主人公で、「愛玩動物」と称されることが多いです。浦和泉高等学校の2年生で、あだ名は「ゆみ」や「ゆみちゃん」。素直で感情表現が豊かですが、運動は苦手で、腹筋も10回程度しかできません。千夏の判断によりチューバを担当することになりますが、本人はユーフォニアムなど、小型の楽器を希望しています。音楽知識はあまりない様子で、入部当初はバイオリンをやりたいと発言しています。緊張したり恥ずかしい思いをすると、体が小さくなってしまう特異体質を持っています。また、連載末期にはネズミの耳や尻尾が生えることもあります。駄洒落をよく言うものの、大抵は滑ってしまいます。

速馬 コハル（はやま コハル）

冬美のクラスメイトで、「暴走担当」として知られています。明るく天真爛漫な性格で、中学時代はバスケ部のエースでした。身体能力が高く、腹筋100回以上や片手腕立て伏せもこなします。スポーツ推薦で入学しましたが、テレビで見たバイオリンに憧れて吹奏楽部に入部しました。トランペットを担当していますが、指使いがままならず、音を外すことが多いです。しかし、その音量は非常に大きく、目覚まし効果があるほどです。勉強は苦手で、英語の補習を受けるほどです。大食いで、実家は飲食店「速馬飯店」を経営しています。ポッポ焼きや「みっかつき」のイタリアンを好みます。可愛い系のワンピースをよく着ていますが、常にスパッツを着用しており、それが無いと動揺して演奏時の音量が小さくなります。高所恐怖症ですが、ジェットコースターなどは平気です。ノリがよく、クリスマスにはメイド服で給仕をしたり、文化祭の司会なども務めます。

川坂 千夏（かわさか ちなつ）

吹奏楽部の先輩で、実質的な実力者です。3年生で、あだ名は「ナツ」。フルートを担当しており、鼻息でフルートを吹くこともできます。マイペースで自由奔放な性格で、メトロノームを催眠術に使ったり、冬美のチューバにバレーボールを詰めたりするなど、奇抜な行動が目立ちます。冬美を可愛がっており、抱きついたり写真を撮ったりする際にネコミミとしっぽが生えます。写真の念写や合成など、冬美のこととなると奇妙な才能を発揮します。運転免許も所持しており、純日本風の家柄です。冷静沈着な性格ですが、泳げない、雷が苦手という一面もあります。

恩田 秋桜美（おんだ あさみ）

冬美とコハルのクラスに転入してきた生徒で、「その他とんこつ」と呼ばれています。内気でドジな性格で、カスタネットに指を挟んだり、スティックを飛ばしてコハルに刺したりします。元々は美術部を希望していましたが、千夏に広報担当として勧誘され吹奏楽部に入部します。トランペットが上手ですが、パーカッションを担当しています。豚のキャラクターが好きで、豚のヘアピンをつけたり、部屋には複数のぬいぐるみが飾られています。ゲームに関しては神業的な腕前を発揮します。

京浜 萌葱（きょうはま もえぎ）

冬美の駄洒落に大ウケするなど、独特のセンスを持つ生徒です。「珍センスなネギ子」と呼ばれています。お嬢様風の口調ですが、強気な性格です。コハルとは喧嘩友達であり、高い学力を持っています。トロンボーンを担当し、経験年数は長いようです。ドジな一面があり、楽譜が上下逆でも演奏できるなど、演奏技術は確かです。遊園地の子供向け遊具で楽しむなど、子供っぽい一面も持っています。

本内 ほたる（もとうち ほたる）

新入生で、吹奏楽部の新入部員。クラリネットを担当しています。妄想癖があり、百合趣味もあります。千夏と冬美の関係を深読みすることが多く、妄想が行き過ぎて鼻血を出すこともあります。

黒目 つつじ（くろめ つつじ）

吹奏楽部の顧問で、非常勤教員です。27歳。「幽霊顧問」と呼ばれており、普段はあまり部活に顔を出しません。千夏同様、冬美を気に入っており、冬美を巡って千夏と争うこともあります。パーカーのポケットに様々なものを入れています。楽器はソプラノサックスで、これもポケットに入れています。トラブルメーカーであり、出鱈目な大人です。浦和泉高校吹奏楽部のOGで、在学時はコンクールで金賞を取った経験もあります。絶対音感を持っており、音のずれを指摘したりしますが、千夏にはからかわれています。愛車はフィアット500で、よくレッカー車のお世話になっています。在学時に作曲した「私は春のスプリングラバー」を文化祭で歌わされることになります。

森崎 このみ（もりさき このみ）

冬美、コハル、秋桜美のクラスメイト。冬美とは中学時代の同級生で、中学時代は吹奏楽部に入っていました。現在はギターに熱中していますが、演奏機会に恵まれていません。ギターの腕前は良いですが、歌が下手です。

三国 るり（さんごく るり）

浦和泉高校吹奏楽部のOGで、美容師見習いと巫女のアルバイトをしています。つつじの髪型をよく整えていたようです。

主任の先生

冬美たちの学年の主任。英語担当で、本名は不明。黒目先生の無断飲酒や無断バイトを注意しています。

舞台

浦和泉市

作品の舞台となる架空の都市で、「うらいずみライトレール」が中心的な公共交通機関となっています。車両は富山ライトレールや新潟交通の車両に似ています。天気予報の地図や「リュートホール」など、新潟市周辺を連想させる要素が多数あります。

県立浦和泉高等学校

主人公たちが通う高校で、進学校です。校舎の外観は新潟県立新潟高等学校に似ています。

単行本

まんがタイムKRコミックス（芳文社）より刊行されています。

1巻 (2008年11月27日発売) ISBN 978-4-8322-7756-4
2巻 (2009年11月27日発売) ISBN 978-4-8322-7860-8
3巻 (2011年1月27日発売) ISBN 978-4-8322-7983-4
4巻 (2011年11月26日発売) ISBN 978-4-8322-4084-1

脚注

関連項目

まんがタイムきららキャラット
ひかるファンファーレ - 田川ちょこの漫画作品。本作同様、チューバを担当する女の子が主人公です。

外部リンク

THW.jp（作者のHP）
まんがタイムきららWeb

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