うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』は、1986年2月22日に東宝系で公開された日本のアニメ映画で、高橋留美子原作のアニメシリーズ『うる星やつら』の劇場版第4作にあたります。この作品はテレビ版アニメの最終制作作品であり、オリジナルのストーリーが展開されます。

概要

本作は、『うる星やつら』の劇場版シリーズの中でも特に作画や美術設定が高く評価されているにもかかわらず、そのテーマ性は従来のラブコメディとはかけ離れており、より重い雰囲気が漂う作品となっています。ストーリーは、現実と非現実についての深い考察を通じて展開され、シリーズの過去の作品と同様の設定が反映されています。一般的に、諸々の制約や変更が重なった結果、物語が難解になったとされており、製作過程には様々な苦労があったことが伺えます。

特に「ラム・ザ・フォーエバー」というサブタイトルや、エンドロール、主題歌「メランコリーの軌跡」は、過去の作品との決別を象徴していると解釈できる部分が多く見受けられます。

未使用カットとして、面堂が祖父と対面するシーンの没カットが存在しており、このことがファンにとっても興味深いポイントとなっています。

あらすじ

あたるたちが映画制作に励む中、面堂家に伝わる「鬼姫伝説」を基にして物語を進めることになりました。しかし、面堂家の庭にある樹齢300年の老木「太郎桜」が切り倒される運命にあります。切る前夜、ラムは桜の歌を聞くことで特別な感情を抱くも、翌日には桜が伐採され、その影響で友引町に異変が現れます。

太郎桜が無くなったことで、町には天変地異が続き、ラムの体調も崩れていきます。次第に彼女の超能力は失われ、友人たちからも彼女に関する記憶が薄れていきました。面堂が異変に疑問を感じ、祖父から「鬼姫伝説」について学ぶうちに、友引高校の仲間たちとともに山へ向かうことになります。そこで、彼らは鬼姫の白骨化した遺体を発見し、さらに町の不思議な現象に翻弄されます。

物語が進むにつれ、ラムは自らの超能力を完全に失い、道化師について行くことで失踪してしまいます。内戦に突入し、あたるは必死に夢の中を駆け回ります。最終的に、全てのへし折られるような悲劇が終焉を迎え、友達たちにラムの帰還がもたらされます。町全体の夢が崩れ去る瞬間、友引町は元の姿を取り戻しました。

登場人物・キャスト

• - 諸星あたる - 古川登志夫
• - ラム - 平野文
• - 面堂終太郎 - 神谷明
• - テン - 杉山佳寿子
• - 三宅しのぶ - 島津冴子
• - メガネ - 千葉繁
• - ほか多数のキャストが参加しています。

スタッフ

本作の原作は高橋留美子が手がけ、監督はやまざきかずおが担当。脚本は井上敏樹とやまざきかずおが共同で執筆しています。音楽は板倉文が担当し、主題歌「メランコリーの軌跡」は松永夏代子が歌っています。

商品展開

この作品は、その後VHS、LD、DVDなど様々な形で映像ソフト化され、多くのファンに愛され続けています。特に2015年にはBlu-rayとしてデジタルリマスター版が登場し、再度の高評価を得ました。

『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』は、文芸性やメッセージ性が強化された作品として、シリーズの中でも特異な位置を占めています。

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