勝山駅

勝山駅：歴史と文化が息づく福井の玄関口

勝山駅は、福井県勝山市遅羽町比島に位置するえちぜん鉄道勝山永平寺線の終着駅です。駅番号はE23。大正3年(1914年)3月11日、京都電燈によって開業し、以来、地域住民の生活と勝山市の発展を支えてきました。

歴史を刻む駅舎

開業以来の歴史を感じさせる木造駅舎は、往年の風情を色濃く残しています。その独特な雰囲気から、映画やドラマのロケ地としても利用された実績があります。駅名の看板には、旧字体である「驛」を用いた「勝山驛」と記され、歴史の重みを感じさせます。2004年には駅舎全体が、2013年には駅舎内の一部が改修され、歴史的建造物としての価値を守りながら、現代的な機能も備えるようになりました。

特に、駅舎は2004年2月17日に国の登録有形文化財に登録されました。2013年の改修では、開業当時の吹き抜けを復元するなど、歴史的価値を尊重した改修が行われています。また、駅舎内にはかつて「えち鉄カフェ勝山」が併設されていましたが、一時休業を経て2023年6月30日に閉店。その後、勝山市観光まちづくり株式会社が運営を引き継ぎ、2024年5月9日に再オープンしました。

多様な交通手段と観光拠点

勝山駅は、単式ホーム1線と島式ホーム1面2線の計2面3線のホームを有しています。かつては主に1番線を使用していましたが、2005年4月1日のダイヤ改正以降は1番線と2番線を交互に使用し、旅客の利便性を向上させています。3番線は保線機械などの留置線として使用されています。また、駅構内には、かつて京福大野駅まで伸びていた線路の名残が100メートルほど残っており、現在は留置線として利用されています。夜間滞泊も設定されており、停止位置目標も設置されています。

周辺には広大な駐輪場と駐車場が整備され、レンタサイクルも利用可能です。パークアンドライドやカーシェアリング（TOYOTA SHAREダイハツステーション委託）といった、利便性の高いサービスも提供しています。

充実したバス路線網

駅前ロータリーには複数のバスのりばがあり、勝山市内の各地や周辺地域へのアクセスが容易です。勝山市コミュニティバス「ぐるりん」、乗合タクシー、京福バスなど、多様な路線が運行されています。これらのバス路線は、多くの場合、郊外地区名（市制施行前の旧村名）を路線名としています。村岡町など、路線名となっていない地域へも、コミュニティバスや複数の路線バスが経由しています。

2024年4月1日以降のダイヤ改正では、1番のりばにはコミュニティバス「ぐるりん」の中部方面循環、乗合タクシー、恐竜博物館直通バス、観光バス「ダイナゴン」などが発着します。2番のりばにはコミュニティバス「ぐるりん」の南部方面循環、乗合タクシー、予約便などが発着します。3番のりばには京福バスの大野線、スキージャム勝山行き（冬季のみ）が発着します。

駅周辺の観光スポット

勝山駅周辺には、大阪特殊合金の工場の他、商店などが点在しています。駅は市街中心部とは九頭竜川を挟んで反対側に位置するため、中心部や周辺の観光地へのアクセスには、駅近くの勝山橋を渡る必要があります。勝山橋を渡ると、勝山市の観光名所である弁天桜、勝山郵便局、旧料亭花月楼、本町通り商店街、勝山商工会議所、神明神社などがあります。また、勝山市役所、勝山市民会館、教育会館、開善寺、かつやまサンプラザ、はたや記念館などもあります。

一方で、福井県立恐竜博物館、越前大仏、勝山城博物館、平泉寺白山神社、スキージャム勝山などは、駅から離れているため、バスやタクシーを利用する必要があります。

隣の駅

勝山駅に隣接する駅は、発坂駅と比島駅です。一部の普通列車は比島駅を通過します。

勝山駅は、歴史と現代が調和する、魅力的な駅です。地域住民の生活の拠点であると同時に、勝山市の観光の玄関口としての役割も担っています。そのレトロな雰囲気と充実した交通アクセスは、多くの観光客を惹きつけています。

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