おおすみ型輸送艦 (初代)

おおすみ型輸送艦の概要

おおすみ型輸送艦（英語: Ōsumi-class tank landing ship）は、海上自衛隊が運用していた艦級の艦船です。アメリカ合衆国から供与されたLST-542級戦車揚陸艦を基にしており、特に多目的な輸送能力が求められました。この艦級は当初、揚陸艦として分類されていましたが、1971年に艦種呼称が改められました。

供与の経緯

おおすみ型の提供は、海上自衛隊の揚陸艦艇部隊が設立された1955年に遡ります。この年、アメリカ海軍から機動揚陸艇（LCM）29隻が寄贈され、続いて汎用揚陸艇（LCU）や中型揚陸艦（LSM-1級）の供与もあったものの、いずれも小型で輸送能力は限定的でした。海上自衛隊は昭和34年度にLSTを取得する必要があると認識し、3隻の貸与を要請しました。その結果、1961年度にアメリカからのLST-542級戦車揚陸艦3隻が供与されることになりました。

設計の特徴

おおすみ型の設計は、LST-1級戦車揚陸艦の後期型を基礎にしています。この艦は艦橋を層増設し、機銃を強化することで排水量が増加しました。また、後期型と比べて水の製造能力が強化され、貨物搭載量は1,900トンに制限されることとなりました。

運用の歴史

1960年、海上自衛隊はオレゴン州アストリアに調査団を派遣し、供与される艦船の状態を確認しました。その後、艦船は日本に回航され、1961年4月1日に正式に引き渡され、編成された第1揚陸隊は横須賀に所属しました。1971年にはこの部隊が第1輸送隊と改称され、その後も人道援助や災害派遣に多くの貢献をしました。

おおすみ型は三宅島噴火や大島大火などへの人道支援、また沖縄返還に伴う資金輸送などで活躍し、災害時の迅速な対応能力を証明しました。特に、掃海母艦「しれとこ」は、南極地域観測隊のヘリコプター訓練に使われる他、カナダ製の着艦支援システムでの試験に従事しました。

まとめ

おおすみ型輸送艦は、海上自衛隊にとって重要な艦艇であり、様々な任務をこなす能力を持っていました。この艦級の運用は、自衛隊の輸送能力を大きく向上させ、国際的な人道支援活動にも貢献しています。

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