おおつ野

おおつ野

おおつ野（おおつの）は、茨城県土浦市の町名です。市の東部に位置し、東側ではかすみがうら市と境界を接しています。現在の行政地名はおおつ野一丁目からおおつ野八丁目に分かれています。この地域は、大規模な住宅団地である「おおつ野ヒルズ」を中心に計画的に開発・整備されており、住民のための公共施設や日常生活を支える商業施設も配置されています。

地理的特徴

土浦市の東端近くに広がるおおつ野地区は、かつては農地などが広がっていましたが、開発により整然とした街並みの住宅地へと変貌を遂げました。団地の中心には公園が設けられ、緑豊かな環境が保たれています。

歴史と開発の経緯

おおつ野地区の開発は、1970年代初頭に始まりました。1972年（昭和47年）、当時の鹿島郡波崎町（現在の神栖市）に本拠を置く株式会社茨城開発が、この地にあった田村・沖宿地区の耕作放棄地に着目し、用地の取得を開始しました。当時のこの地域の農家は、国の進める減反政策の影響を受け、稲作から蓮根栽培への転換を進めていましたが、特に北部の台地では耕作が放棄される土地が増え、荒れた状態となっていました。そのため、多くの農家が用地買収に応じたとされています。

しかし、順調に見えた開発計画は、1973年（昭和48年）に発生したオイルショックを契機に暗礁に乗り上げます。開発主体であった株式会社茨城開発が倒産し、買収された土地は10年以上にわたって手つかずのまま放置され、荒廃はさらに進んでしまいました。

事態が動き出したのは、1980年代半ばからです。1983年（昭和58年）頃から、放置されていた土地を川鉄商事株式会社（現在のJFE商事、現在もおおつ野ヒルズの土地販売に関与しています）が取得し始めました。これと並行して、地域住民、行政、関係企業が連携を取り始め、同年には沖宿、田村、手野の三地区で三地区連絡促進協議会が発足。そして同年9月6日には、この地域の開発を推進するための組織として「田村・沖宿土地区画整理組合」が設立されました。

こうした関係者の努力を経て、1990年（平成2年）10月23日には、土地区画整理事業の着工式が執り行われ、本格的な街づくりが始まりました。開発工事に先立って行われた発掘調査では、田村・沖宿遺跡群をはじめとする多数の遺跡が発見されており、古代からのこの地の歴史的な重要性を示すものとなりました。

そして、開発事業が概ね完了した1998年（平成10年）9月21日、従来の田村町と沖宿町の各一部から分離・再編成される形で、新たな町名として「おおつ野」（一丁目から八丁目まで）が正式に誕生しました。翌1999年（平成11年）10月には、街の完成を祝う竣工式が行われました。近年では、2016年（平成28年）3月1日に真鍋新町から土浦協同病院が移転開院するなど、地域の拠点となる主要な施設も配置されています。

主な施設

おおつ野地区内には、住民の憩いの場となる公園や、地域の医療・福祉を担う施設などが整備されています。

樫の木公園
風の公園
緑の公園
土浦協同病院
土浦協同病院附属看護専門学校
土浦協同病院附属保育所ひまわり
創価学会土浦文化会館
高齢者専用賃貸住宅ここいち土浦
ライフサポートサンルーナ
土浦ニュータウンおおつ野ヒルズ現地販売センター

商業施設

日常生活に必要な店舗やサービスを提供する商業施設も団地内に点在しています。

セブン-イレブン土浦おおつ野店
ダイユーエイト土浦おおつ野店
スイーツアトリエ　レガル
常陸秋そば 筑山亭 かすみの里
クスリのアオキおおつ野店
茨城日野自動車土浦東支店

交通アクセス

おおつ野地区内に鉄道駅はありません。最寄りの駅は、JR東日本常磐線の土浦駅となります。

路線バスが運行されており、地内にはおおつ野台、おおつ野八丁目、樫の木公園、土浦協同病院の4つのバス停留所が設けられています。これにより、土浦駅方面などへのアクセスが確保されています。

道路に関しては、地区の北端とかすみがうら市境に沿って国道354号が通っており、「おおつ野団地入口」交差点が地区への主な入り口の一つとなっています。また、常磐自動車道の土浦北インターチェンジが比較的近くに位置しており、広域交通網へのアクセスも良好です。

おおつ野は、過去の歴史的経緯を経て、計画的な開発により現代の住宅地として整備された地域であり、現在も多くの人々が生活を営んでいます。

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