おやこ刑事

おやこ刑事：親子刑事の活躍と個性豊かな仲間たち

『おやこ刑事』は、林律雄原作、大島やすいち作画による人気漫画作品、およびそれを原作とするテレビドラマです。1977年から1981年にかけて『週刊少年サンデー』で連載され、その後、単行本全25巻、ワイド版全12巻が小学館より刊行されました。現在では電子書籍版も配信されており、幅広い世代に親しまれています。

ストーリー：凸凹親子と個性的な刑事たちの活躍

主人公は、女好きで少々スケベな父親、柴田勘太郎と、その息子で女性アレルギーを持つ美青年、柴田文吾。勘太郎の妻は文吾を産んで亡くなっており、勘太郎は男手一つで文吾を育てました。二人は下ノ町警察署捜査一課に所属し、個性豊かな仲間たちと共に、小さな事件から凶悪犯罪まで様々な事件を解決していきます。

署には、頼れる上司の川上課長、空手の達人でサングラスにパーマのタレ、パイプをくわえたポパイ、一人娘を溺愛するガンさん、体が大きく水が苦手な大仏、そして、勘太郎にいつもお尻を触られている紅一点の婦人警官、大西操など、個性あふれる刑事たちが集まっています。それぞれの個性と能力を活かし、彼らは協力して事件解決に奔走します。

主要人物：それぞれの魅力と人間関係

柴田文吾: 若くイケメンで女アレルギーの持ち主。女性が近づくと蕁麻疹が出てしまう体質ですが、大西操だけは例外です。刑事としては未熟な面もありますが、持ち前の行動力と粘り強さで事件を解決に導きます。射撃の腕前は抜群ですが、犯人を殺してしまうことを避けようと、急所を外して撃つことが多いです。最終的には操と結婚します。

柴田勘太郎: 文吾の父親。若い頃の経歴は不明ですが、戦争中は旧ソ連軍の捕虜になっていました。女好きで、特に操にはよくお尻を触っています。しかし、それは愛情の裏返しであり、文吾を男手一つで立派に育て上げました。捜査では豊富な経験と鋭い勘を武器に活躍します。階級は警部補と名刺にはありますが、作品内では巡査部長と呼ばれる場面もあります。

大西操: 下ノ町署捜査課の紅一点で、本作のヒロイン。文吾に好意を寄せており、彼との恋模様も物語を彩ります。電話番が多いですが、女性が絡む事件では剣道や柔道の腕前を発揮します。大金持ちの家に育ちましたが、お転婆な性格です。

ポパイ (瀬良満): 『ポパイ』そっくりな風貌の刑事。文吾の教育係でもあり、物語序盤では彼に厳しく当たりますが、後に良好な関係を築きます。恋人のオリエとのロマンスも描かれますが、悲しい最期を迎えます。

ガンさん (岩田実): 音楽大学中退という経歴を持ち、ピアノの腕はプロ級。子煩悩で、娘の綾を溺愛しています。

タレ (垂水二郎): 空手二段の腕前で、喧嘩が強い。サングラスをかけているのは、実は垂れ目だからです。文吾とは性格が正反対ですが、良い友人関係を築いています。

大仏 (大仏竜之介): 巨漢で、水が苦手。母親思いの優しい性格です。

梅村好平: 文吾の後輩刑事。お調子者ですが、持ち前の明るさと行動力で活躍します。

川上課長: 下ノ町署捜査課の課長。勘太郎とは長年の付き合いがあり、部下思いの優しい上司です。

テレビドラマ版：原作を基にした人気ドラマ

1979年にテレビ東京で放送されたテレビドラマ版は、原作漫画を基に制作されました。全25話で、名高達郎、金子信雄、服部まこなど豪華キャストが出演し、大きな話題となりました。『週刊少年サンデー』では、漫画とドラマのコラボレーション企画も行われました。最終回では殉職者が一人もいないストーリーに変更されたというエピソードも残っています。

その他：主題歌、再放送、関連作品

ドラマの主題歌は塩見大治郎が歌う「愛の星」です。また、放送終了後には再放送も行われました。さらに、大島やすいちによる続編的作品『一撃伝』では、文吾らしき青年刑事とその息子が登場します。

まとめ：親子刑事の物語とその魅力

『おやこ刑事』は、個性豊かなキャラクターとテンポの良いストーリー展開で、多くの読者や視聴者から愛された作品です。凸凹親子刑事の活躍、個性的な仲間たちの友情、そして、それぞれの事件を通して描かれる人間ドラマは、今もなお人々の心を掴んで離しません。コミックスや電子書籍、テレビドラマを通じて、この魅力的な世界に触れてみてください。

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