お笑いワンマンショー

名古屋テレビ（旧名古屋放送）が長年にわたって手掛けた演芸番組シリーズの中心的存在が『お笑いワンマンショー』です。この項目では、1983年から1990年にかけて放送された同番組に加え、その起源となる1960年代の番組から、シリーズを締めくくる1990年代の番組まで、約30年にわたるその系譜をたどります。

シリーズの始まりは1960年代まで遡ります。『東西お笑い大須寄席』と題され、主に寄席演芸を届ける番組としてスタートしました。当初は名古屋の大須演芸場から公開録画中継される形式が取られ、深夜帯で放送された後、日曜昼へと放送時間を移します。1967年1月には『東西デラックス寄席』として番組名が改められ、内容も刷新されました。1969年10月からはスタジオでの公開録画形式となり、人気漫才師である若井はんじ・けんじが司会を務めるなど、番組のスタイルが確立されていきます。放送時間も日曜午後へと移るなど変動が見られましたが、1974年6月、後続番組『爆笑オンパレード』の開始に伴い、シリーズは一旦休止期間に入ります。

『爆笑オンパレード』が1977年に終了すると、シリーズは『仁鶴のお笑い決定版』として再び動き出します。この時期は、司会を務めた笑福亭仁鶴の影響が強く、上方のお笑い芸人が多く出演し、番組全体にバラエティ色や関西の色彩が濃く反映されました。しかし、この番組はわずか1年で終了し、シリーズは再び沈黙の時を迎えることになります。

それから約4年半の空白期間を経て、1983年4月、満を持して『お笑いワンマンショー』としてシリーズが復活しました。この番組では、これまでの関西色が強い路線から転換し、再び寄席演芸という基本に立ち返ると同時に、東京を拠点とする芸人も積極的に招くなど、東西のお笑いをバランス良く紹介する方針が取られました。この時期の最大の特徴は、放送時間の変動が非常に多かったことです。番組は日曜深夜帯と土曜午後帯の間を度々移動しながら放送が続けられました。

『お笑いワンマンショー』が終了に近づいた1990年3月、放送枠は金曜深夜へと移り、番組は『八方・菜摘の笑タイム』と改題されました。大阪出身の月亭八方と東京出身の小川菜摘という東西のタレントが司会に起用され、初期は東西の芸人たちが競演する対決形式が企画の軸となりました。しかし、次第に番組の色合いは再び関西へと傾き、特に吉本興業所属の若手芸人たちの登竜門的な様相を呈していきます。この時期に出演した芸人の中には、後の人気者となる今田耕司やぜんじろうらの名前が見られます。

これらの番組シリーズは、制作局である名古屋放送（現名古屋テレビ）だけでなく、当時のキー局であるNETテレビ（現テレビ朝日）や、独立局であるTVKテレビ、サンテレビなど、複数の放送局でも放送されました。

約30年間にわたり、番組名や内容、放送時間を変えながらも放送が続けられたこの一連の演芸番組シリーズは、テレビを通じた寄席文化の一端を担ったと言えるでしょう。

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