お茶の間寄席

『お茶の間寄席』は、フジテレビ系列局で放送された演芸番組です。番組は二つの期間に分かれており、最初の放送は1966年 5月23日から1969年 9月30日まで、そして一時の中断を経て、1974年 4月7日から同年6月30日まで再度放送されました。フジテレビが制作を担当しました。

第1期：演芸スターたちの集い

番組の主軸となった第1期は、平日の夕方や夜に毎日放送される帯番組として親しまれました。日替わりで様々な顔触れのお笑い芸人たちが登場し、連日、視聴者を楽しませました。この時期の出演者には、後に国民的な人気を得るザ・ドリフターズをはじめ、ナンセンストリオ、落語界の重鎮である桂米丸、コミックバンドの流れを汲むミュージカルぼーいず、歯切れの良い漫才が持ち味の晴乃チック・タック、そして若年層にも絶大な人気を誇った漫画トリオなど、当時の演芸界を彩る錚々たる面々が含まれていました。

番組の進行役、すなわち司会者は、第1期の期間中だけでも数人の変遷がありました。放送開始当初の約2年間は、個性的なキャラクターで知られるタレントの東京ぼん太がマイクを握りました。ぼん太の降板後、短い期間ではありましたが、漫才コンビの獅子てんや・瀬戸わんやが司会を務めました。そして、1969年1月からは、上方漫才界を代表する存在へと成長していく横山やすし・西川きよしのコンビが司会を引き継ぎ、第1期の最終回まで担当しました。

また、番組の冒頭に、タイトルやスポンサー名が記されたボードの上に現れる愛嬌のあるマペットも番組の特徴の一つでした。このマペットには、ベテラン声優の堀絢子さんが声を吹き込んでいました。

放送時間と提供体制

第1期の放送時間は、期間中に一度変更されています。番組開始から1969年3月31日までは、月曜日から金曜日まで、夜の21時45分から22時00分までの15分間放送されていました。その後、1969年4月1日からは、放送曜日が月曜日から土曜日までの週6日に拡大され、時間帯も夕方の19時45分から20時00分へと移動しました。この時間帯は、当時土曜日の放送が復活したばかりの『スター千一夜』のすぐ後という、視聴習慣に乗りやすい編成でした。

番組は、様々な企業からの提供を受けて放送されました。月曜日から金曜日の放送だった初期は、ミツワ石鹸が一社単独で提供していました。後にニッカウヰスキーが加わり、2社提供体制に移行しました。月曜日から土曜日への放送拡大に伴い、さらに三洋電機とハウス食品工業（現在のハウス食品）が提供社に名を連ね、最大で4社による提供が行われました。ただし、ハウス食品については、提供が付かない日もあったようです。

第2期：短期間での復活

第1期の終了からおよそ4年半の歳月を経て、番組は1974年 4月7日に再び放送を開始しました。これが第2期です。復活にあたり、番組形式はそれまでの帯番組から変更され、毎週日曜日の22時30分から23時00分までの30分番組として放送されました。この第2期でも、初代司会者である東京ぼん太が再び起用されました。しかし、第2期は長く続かず、わずか3ヶ月後の1974年 6月30日をもって放送を終了しました。

お茶の間寄席