カゲボウシ

ポルノグラフィティ36作目のシングル「カゲボウシ」

2012年9月19日、SME Recordsより発売されたポルノグラフィティの36作目のシングル「カゲボウシ」。前作「2012Spark」から約7ヶ月ぶり、アルバム『PANORAMA PORNO』発表後初のシングルリリースとなりました。2012年2作目となる本作は、NHK総合テレビ・ドラマ10『つるかめ助産院〜南の島から〜』の主題歌に起用されています。

ドラマ主題歌としての「カゲボウシ」

「EXIT」以来約1年6ヶ月ぶりのテレビドラマ主題歌となった「カゲボウシ」。ドラマの世界観に寄り添うべく書き下ろされた、スローテンポのバラードです。「ゆきのいろ」以来2作目となるバラードシングルは、大切な人を影のように見守り支える心情を繊細な歌詞で表現しています。

NHKドラマの主題歌ということもあり、幅広い世代に響く普遍的な楽曲を目指したとメンバーは語っています。ドラマ制作スタッフからは「『愛が呼ぶほうへ』のようなスローテンポの曲」「歌詞とメロディーが染み込むような曲」といったリクエストがあり、岡野昭仁は「一歩引いたところで支えてくれる、母親のような曲」をイメージして制作を進めました。

新藤晴一も別の主題歌候補曲を作っていましたが、「カゲボウシ」について「ドラマにすごく合う曲になった」「どんな相乗効果が生まれるのか楽しみな曲」と高く評価しています。アレンジは『PANORAMA PORNO』収録の「素敵すぎてしまった」を手掛けた馬場一嘉が担当。新藤の「普遍的なイメージに仕上げたい」という希望と、岡野の「沖縄の景色が浮かぶようなアレンジ」というリクエストを融合させた、沖縄の雰囲気とドラマのテーマ「生命」「母親」「出産」を反映したアレンジとなっています。

アコースティックギターをメインに、パーカッションとのセッションを重視したレコーディングが行われ、岡野のアイデアによりオートハープが導入されました。シンプルな曲に特徴を持たせるため、試行錯誤の末に実現したオートハープの音色は、温かみのある印象的なサウンドを生み出しています。

楽曲は2012年8月13日放送のbayfm『カフェイン11』で初披露され、8月28日からはドラマ主題歌としてオンエアされました。また、『第63回NHK紅白歌合戦』でも歌唱されました。

カップリング曲

カップリング曲には、「やがて哀しきロックンロール」と「ルーズ」の2曲が収録。「やがて哀しきロックンロール」は当初、新藤のストック曲を使用する予定でしたが、「味が薄い」と判断し、新たに書き下ろされた曲です。「ルーズ」は当初、『つるかめ助産院〜南の島から〜』の主題歌候補として制作された楽曲で、岡野の「カゲボウシ」が主題歌に選ばれた後、歌詞やアレンジを大幅に変更してカップリング曲として完成しました。

シングル形態とジャケット

シングルは「初回生産限定盤」と「通常盤」の2種類が発売されました。通常盤は初回仕様のみ透明スリーブケース付き、初回限定盤には「カゲボウシ」のビデオクリップを収録したDVDが付属する2枚組となっています。ジャケット写真は、スタジオに1トンもの砂を運び込んで撮影された、伸びた影を捉えた印象的なものとなりました。なお、ジャケット公開時にカップリング曲の収録順が変更されています。

「カゲボウシ」Video Clip

DVDに収録されている「カゲボウシ」のビデオクリップは、牧鉄馬監督による作品です。新藤のギター演奏に合わせて岡野が歌う、シンプルな構成となっています。

まとめ

「カゲボウシ」は、ドラマ主題歌として書き下ろされたバラードでありながら、ポルノグラフィティらしい深みのある歌詞と、こだわりのアレンジが施された完成度の高い楽曲です。全曲新曲で構成されたシングルは、彼らの音楽性の幅広さを改めて示す作品となりました。また、ジャケット写真やビデオクリップなど、ビジュアル面にも強いこだわりが見られます。

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