からっぽ (ゆずの曲)

ゆずの3rdシングル「からっぽ」：1998年の青春を彩る一曲

1998年11月11日、セーニャ・アンド・カンパニーより発売されたゆずの3枚目のシングル「からっぽ」は、彼らの音楽性と初期の活動を象徴する重要な作品です。このシングルは、表題曲「からっぽ」の他に、「種」と「帰り道」の2曲を収録しており、それぞれ異なる魅力を持つ楽曲となっています。

ミュージックビデオとレコーディング

「からっぽ」のミュージックビデオ（PV）は、横浜市の公園にある一本の木を舞台に撮影されました。「種」と「帰り道」のレコーディングも、この同じ場所で実施されています。PVの象徴的な風景は、楽曲の世界観を視覚的に表現し、楽曲への理解を深める上で重要な役割を果たしています。

「からっぽ」：女性への想いを綴った叙情的なバラード

「からっぽ」は、岩沢厚治さんが作詞作曲を手掛けた楽曲です。ストリングスアレンジは阿部雅士さんが担当。楽曲は、岩沢さんが女性に告白され、一度は断ったものの後にその女性を好きになってしまったという、切ない経験を歌っています。この経験に基づいた、繊細で感情豊かな歌詞とメロディーは、聴く者の心に深く響く、ゆずの代表的なバラードと言えるでしょう。

「種」：ゆずの原点を垣間見れる楽曲

北川悠仁さんが作詞作曲した「種」は、ゆずの楽曲の中でも特に初期の代表作として知られています。この曲は公園でレコーディングされたため、曲の終わりには鳥のさえずりが自然と混ざり込んでおり、生々しい臨場感が感じられます。後に「YUZU LIVE CIRCUIT 2010 FUTATABI」ツアーでは、バンジョーとカズーを取り入れたアレンジでリメイクされ、新たな魅力を放つ楽曲として再評価されました。この楽曲は、ゆずの音楽の原点を知る上で重要な一曲であり、彼らの初期の音楽性を垣間見ることができるでしょう。

「帰り道」：シンプルな構成の中に潜む奥深さ

岩沢厚治さんが作詞作曲した「帰り道」は、ギター、ハーモニカ、ピアニカというシンプルな構成で生み出された楽曲です。シンプルな構成にもかかわらず、楽曲からは深い情感と、聴く者の心に寄り添うような優しさが伝わってきます。この楽曲は、ゆずの初期の音楽性の多様性を示す、重要な一曲となっています。

シングルとしての特徴

「からっぽ」のシングル盤には、ゆずの公認ファンクラブ「ゆずの輪」の会員募集のお知らせが記載されていました。また、ゆずのシングルとしては珍しく、縦向きデザインが採用されています。当初は「ゆず一家」という名称でファンクラブを設立する予定だったというエピソードも残されています。

収録アルバムとライブパフォーマンス

「からっぽ」は『ゆずえん』、『Home 1997-2000』、『YUZU 20th Anniversary ALL TIME BEST ALBUM ゆずイロハ 1997-2017』、『歌時記 〜サクラサク篇〜』(Live Version)、『YUZU ARENA TOUR 2022 PEOPLE -ALWAYS with you-』(Live Version)に収録されています。「種」と「帰り道」は、アルバム未収録となっています。

まとめ

「からっぽ」は、ゆずの初期の代表的なシングルとして、彼らの音楽性や、活動初期のエピソードを色濃く反映した作品です。3曲それぞれの楽曲の特徴、そしてそれらが収録された背景を知ることで、ゆずの音楽への理解がより深まることでしょう。 このシングルは、1998年の音楽シーンにおいて、ゆずというアーティストの確かな存在感を示す、重要な作品となりました。

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