きよめ教会

きよめ教会の歴史

きよめ教会（きよめきょうかい）は、1936年に設立された教団で、日本ホーリネス教会からの分離を経て誕生しました。この教団は、中田重治監督派に基づく「きよめ派」として位置付けられています。設立の背景にはホーリネス教会内部の分裂があり、1932年にさかのぼる出来事が影響を与えました。

ホーリネス教会の分裂

1932年の聖書学院において、中田重治が新たな方針を示した際、五人の教授たちが彼に従うよう求めました。しかし、その際に生まれた対立が、次第に深刻な分裂へと発展します。中田は五人の教授を解任し、全国の教役者を非常招集しました。この様相は、10月25日に開かれた臨時総会でさらに明確化され、最終的にホーリネス教会は二つに分かれました。

きよめ教会の設立

きよめ教会は、1936年12月25日のクリスマスに公式に発足しました。この日に制定された四か条の会則により、教会の構造が確立され、監督職は終身職とされるなど、特異な運営方法が採用されました。一方で、1938年には一部の信徒が「日本聖潔教会」と名乗り、きよめ教会から離脱しました。

中田重治の死去

1939年には、中田重治が亡くなりました。彼の死去を受け、教会内には指導権を巡る争いが勃発しました。この争いは「きよめ教会事件」と呼ばれ、森五郎・工藤玖三の長老派と尾崎喬一を中心とする少壮派に分かれました。この時期、尾崎派が中田の信任を受けた保坂一を後継者と位置付けようとしたことが、さらなる対立を生む要因となりました。

日本基督教団との関係

1941年に日本基督教団が発足すると、きよめ教会もその一部として取り込まれました。これにより、きよめ教会は事実上の消滅を迎えることとなり、その影響力を失います。その後、教団における会議が開かれ、教会員には辞職が求められました。

弾圧の時代

1942年、ホーリネス系の教職者が治安維持法違反の容疑で一斉に検挙され、その中にはきよめ教会の信者も含まれていました。これにより教会は大きな打撃を受け、教団としての存続が危ぶまれました。1943年には宗教団体法に基づき、認可が取り消される決定が下されました。

戦後の状況

戦後、1946年には基督兄弟団が設立され、これにはきよめ教会の主要な信徒が関与しました。さらに1958年には、森五郎が新たな組織「基督聖協団」を立ち上げ、きよめ教会の精神を継承しました。このように、きよめ教会の遺産は新たな形で生き続けているのです。

きよめ教会の綱領

きよめ教会の綱領は、教団の信念や目標を示するものであり、信者の個人や社会への貢献を重視しています。この綱領は、中田重治の思想に基づいており、信者が社会的責任を持つことを鼓舞しています。

以上のように、きよめ教会の歴史は、日本におけるキリスト教の動向を反映したものであり、様々な事件や分裂、合併を通じて成り立ってきました。今日では、基督聖協団が実質的にその活動を引き継いでいます。

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