くじらの博物館

太地町立くじらの博物館は、和歌山県東牟婁郡太地町のくじら浜公園内に位置し、沿岸捕鯨で栄えた太地町の歴史と文化を伝える博物館です。1969年の開館以来、鯨の生態や捕鯨に関する貴重な資料を展示しており、訪れる人々に深い学びと感動を提供しています。

博物館の歴史

博物館は、太地町の捕鯨の歴史と技術を後世に伝えるため、1969年に開館しました。館内には、様々なクジラの骨格標本や、鯨の生態に関する展示、そして1000点以上の捕鯨に関する資料が展示されています。開館当初から、生きたイルカの展示も行っており、太地町の漁民と協力して「追い込み網漁」によるイルカ漁が始まりました。くじら浜公園内には、石垣記念館もあり、かつては熱帯植物園も併設されていましたが、現在は閉鎖されています。

シャチとラッコの飼育

博物館に併設された自然の入江を利用したプールでは、かつて関西で唯一シャチのショーが行われていました。しかし、2010年にシャチは繁殖・学術研究のため名古屋港水族館に譲渡され、その後死亡しました。また、約20年にわたってラッコも飼育されていましたが、2008年に鴨川シーワールドに譲渡されました。ラッコ館は現在、過去に飼育されていた腹びれイルカ「はるか」のメモリアルやデータの一部が展示されています。

腹びれイルカ「はるか」

博物館では、世界で唯一となる腹びれを持つバンドウイルカ「はるか」を2006年から2013年まで飼育展示していました。「はるか」は2006年に捕獲され、東京海洋大学などによる研究の結果、先祖返りや鯨類の進化の過程を示す貴重な個体であることが判明しました。レントゲン撮影の結果、「はるか」には指の骨があることが確認されています。

アルビノと白変種

博物館では、白い小型鯨類の飼育展示も行っており、2014年には白いハナゴンドウが捕獲されました。紀伊民報によると、以前にも白いハナゴンドウが捕獲されたことがあるものの、非常に珍しい個体であるとされています。また、2014年には白いハンドウイルカ「スピカ」が搬入され、アルビノであることが確認されました。同年には、白変種（白化個体）のハナゴンドウ「ゆうじ」と「はまた」も搬入され、遺伝子調査とともに体色の変化などが研究されています。

イルカ占い

博物館では、ソチ五輪での日本の活躍をイルカで占うというユニークな企画も行われました。イルカに日本と開催国ロシアに見立てたフラフープを回させ、その結果から勝敗を占うというもので、3回中2回が日本の勝利という結果になったと報じられました。

博物館の施設

博物館は、1階から3階まであり、それぞれ異なるテーマの展示が行われています。

1階展示室：骨格標本、セミクジラ、ホッキョククジラ、コククジラ、イチョウハクジラ、シャチ、ミンククジラなどの展示があります。実物大のセミクジラ模型や太地浦沖古式捕鯨ジオラマも展示されています。
2階展示室：ヒゲ鯨のヒゲ、鯨の内臓各部位標本、寄生虫標本、鯨胎児標本などが展示されています。ゲームコーナーもあります。
* 3階展示室：くじら文楽人形、捕鯨の道具、口径90mm単発砲、口径20mm改良五連銃、ささやき筒、木型背美鯨、鯨杯、太地浦捕鯨の図、古式捕鯨船模型などが展示されています。

館外には、シロナガス[クジラ]]の骨格レプリカ、海洋水族館]、[[クジラショーエリア、イルカショープール、イルカ館(旧ラッコ館)があります。海洋水族館では、アルビノのバンドウイルカ、シワハイルカ、マダライルカなどが展示されており、クジラショーエリアでは、バンドウイルカ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、コビレゴンドウ、カズハゴンドウの飼育展示が行われ、クジラショーやふれあい体験、カヤックによる観察、給餌体験ができます。イルカショープールでは、バンドウイルカとカマイルカ、スジイルカのショーが開催されています。イルカ館では、マダライルカが飼育展示されています。

建築概要と営業情報

博物館は1969年に設立され、延床面積は2,078m2です。入場料は大人1800円、小中学生は900円です。

アクセス

JRきのくに線太地駅からバスで10分、または紀伊勝浦駅から紀の松島遊覧船で30分の場所に位置しています。周辺には、紀の松島や串本海中公園、大辺路などの観光スポットがあります。

外部リンク

公式サイト、Facebookページ、YouTubeチャンネル、公式ブログなどがあり、博物館の最新情報を確認することができます。

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