くず哲也
タレント、フリーライター、そしてラジオパーソナリティとして多方面で活躍した人物、それが「くず哲也」です。本名を野村哲也といい、1947年6月10日に生を受け、2021年1月31日に73歳でこの世を去りました。
東京都に生まれた彼は、東京都立広尾高等学校を経て武蔵野美術大学産業デザイン科を卒業しました。大学卒業後、一度は広告会社に就職しますが、わずか3ヶ月で退社。その後は特定の仕事に縛られることなく、自由な生き方を追求します。音楽グループ「日暮し」の立ち上げに関わったり、平凡出版（現在のマガジンハウス）発行の雑誌「平凡パンチ」でライターを務めたりと、その活動は多岐にわたりました。この頃、せんだみつお氏、鈴木ヒロミツ氏、高橋基子氏、黒田征太郎氏、浅井慎平氏、野末陳平氏らといった著名な顔ぶれとの交流を深めています。
転機が訪れたのは、ある時ニッポン放送のプロデューサーであった上野修氏に声をかけられたことでした。ラジオパーソナリティになるつもりなど全くなかったくず氏は、強引に近い形で誘われ、マイクテストのためにニッポン放送へ向かいます。そこで彼はマイクの前で好き放題に話しましたが、それが上野氏の心に響きました。結果、平凡出版が提供する番組「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」のメインパーソナリティという大役に抜擢されることになります。
この番組への出演が決まった際、本名の野村哲也では公務員のようで堅苦しいとの理由から、新たな芸名をつけることになりました。名付け親は上野修氏です。当時、東京都杉並区で清掃工場の建設を巡り「杉並ゴミ戦争」と呼ばれた騒動が起きており、これに便乗する形で「ゴミ哲也」という名前も候補に挙がりました。しかし、「ゴミよりもクズテツの方がいくらか利用価値が上がるのではないか」という考えから、「くず哲也」という芸名が採用されたとされています。上野氏はこの命名理由について「いい加減な理由だ」と語っていたといいます。
ニッポン放送での成功を皮切りに、彼はラジオパーソナリティとして確固たる地位を築き、全国各地の様々なラジオ局でマイクに向かいました。同時に、ライターやタレントとしても活動を続け、そのユニークなキャラクターでお茶の間にも親しまれました。また、東京都豊島区南長崎にて「半分亭」というダイニングバーを経営し、マスターとしての顔も持っていました。2014年9月頃からは、ラジオやテレビでの活動は控えめになり、バー経営の傍ら、映画評の執筆などを中心に活動していました。
自身のトークスタイルについて、彼は「格好つけようとか、そんなことは考えていない。普段遊んだり飲んだりしている時と同じように、できるだけ自然体でいることがモットーだ」と語っていました。また、「放送禁止用語以外は、言葉の一つ一つをあまり意識していないので、間違いだらけかもしれない」とも述べつつ、「大切なのは、どれだけ生き生きとした言葉を相手に伝えられるかだ。そうでないと、今の若い世代には響かないだろう」という考えを示しています。その飾らない、本音で語る姿勢が多くのリスナーや視聴者に支持されました。
晩年は活動の場を移していましたが、2021年1月31日、急性骨髄性白血病のため、73歳で永眠しました。ラジオの黄金期に活躍し、その個性的な存在感で多くの人々に記憶される人物でした。
主な出演番組と執筆活動
彼のキャリアを通じて、数多くの番組や著作を残しています。
昭和50年代にニッポン放送で特に活躍しました。
ニッポン放送
ザ・パンチ・パンチ・パンチ
くず哲也の日曜はダメよ
NISSANナマ生ステーション
日本全国7時半! （1982年10月 - 1983年3月）
日本全国聴きある記 （1983年10月 - 1984年3月）
くず哲也のほいきた!土曜日一番のり
ラジオ日本
まっ昼間・極太・骨太!くず哲也
くず哲也のオトナの情報マガジン
くず哲也のまじめ半分おもしろ半分
ギャオス・くずの「オトナのスポーツマガジン」（2009年ナイターレインコート）
応援ラジオ・どんまい!→くず哲也のどんまい!!（2011・2012年ナイターレインコート）
くず哲也のコバヤシラジオ（2011年ナイターオフ）
僕も私もジャイアンツナイター（ラジオ日本ジャイアンツナイターレインコート番組。火曜日のみ）
その他
くず哲のヤンヤン大学（TBSラジオ）
くず哲のグッドチューニング（TBSラジオ）
SUPER FREAK SUNDAY（FM富士）初代DJ
エンドーミュージックショーウィンドー（東北放送） ※日曜担当
バラエティ番組や情報番組などで活躍しました。
ヒット'76→ヒット'77（日本テレビ） - 池田まさると共に男性へのインタビュアー
オレたちひょうきん族（フジテレビ） - ひょうきんベストテン（上田正樹役、子連れレポーター役）
ファンキートマト（テレビ神奈川）- 初代司会者
TVグラフィックおしゃべりトマト（テレビ神奈川）- リポーター
くず哲也のおもしろザウルス（北海道文化放送）
MOONラビット（千葉テレビ放送）
こちら葛飾情報局（JCN葛飾）
鉄道モノ談義（MONDO21）
ビデオジョッキー（東急ケーブルテレビ）
雑誌への寄稿や著作も出版しています。
平凡パンチ「くず哲也のペーパーラジオ」等
平凡パンチOh!（平凡パンチの手帳サイズ版別冊）
初体験レポート（1979年4月、廣済堂出版）
くず哲のヤンヤン大学（1979年4月、立風書房）
くず哲也の日曜はダメよ―ダメでもともと笑殺ドジ爆弾（1981年6月、サンケイ出版）
東京都に生まれた彼は、東京都立広尾高等学校を経て武蔵野美術大学産業デザイン科を卒業しました。大学卒業後、一度は広告会社に就職しますが、わずか3ヶ月で退社。その後は特定の仕事に縛られることなく、自由な生き方を追求します。音楽グループ「日暮し」の立ち上げに関わったり、平凡出版（現在のマガジンハウス）発行の雑誌「平凡パンチ」でライターを務めたりと、その活動は多岐にわたりました。この頃、せんだみつお氏、鈴木ヒロミツ氏、高橋基子氏、黒田征太郎氏、浅井慎平氏、野末陳平氏らといった著名な顔ぶれとの交流を深めています。
転機が訪れたのは、ある時ニッポン放送のプロデューサーであった上野修氏に声をかけられたことでした。ラジオパーソナリティになるつもりなど全くなかったくず氏は、強引に近い形で誘われ、マイクテストのためにニッポン放送へ向かいます。そこで彼はマイクの前で好き放題に話しましたが、それが上野氏の心に響きました。結果、平凡出版が提供する番組「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」のメインパーソナリティという大役に抜擢されることになります。
この番組への出演が決まった際、本名の野村哲也では公務員のようで堅苦しいとの理由から、新たな芸名をつけることになりました。名付け親は上野修氏です。当時、東京都杉並区で清掃工場の建設を巡り「杉並ゴミ戦争」と呼ばれた騒動が起きており、これに便乗する形で「ゴミ哲也」という名前も候補に挙がりました。しかし、「ゴミよりもクズテツの方がいくらか利用価値が上がるのではないか」という考えから、「くず哲也」という芸名が採用されたとされています。上野氏はこの命名理由について「いい加減な理由だ」と語っていたといいます。
ニッポン放送での成功を皮切りに、彼はラジオパーソナリティとして確固たる地位を築き、全国各地の様々なラジオ局でマイクに向かいました。同時に、ライターやタレントとしても活動を続け、そのユニークなキャラクターでお茶の間にも親しまれました。また、東京都豊島区南長崎にて「半分亭」というダイニングバーを経営し、マスターとしての顔も持っていました。2014年9月頃からは、ラジオやテレビでの活動は控えめになり、バー経営の傍ら、映画評の執筆などを中心に活動していました。
自身のトークスタイルについて、彼は「格好つけようとか、そんなことは考えていない。普段遊んだり飲んだりしている時と同じように、できるだけ自然体でいることがモットーだ」と語っていました。また、「放送禁止用語以外は、言葉の一つ一つをあまり意識していないので、間違いだらけかもしれない」とも述べつつ、「大切なのは、どれだけ生き生きとした言葉を相手に伝えられるかだ。そうでないと、今の若い世代には響かないだろう」という考えを示しています。その飾らない、本音で語る姿勢が多くのリスナーや視聴者に支持されました。
晩年は活動の場を移していましたが、2021年1月31日、急性骨髄性白血病のため、73歳で永眠しました。ラジオの黄金期に活躍し、その個性的な存在感で多くの人々に記憶される人物でした。
主な出演番組と執筆活動
彼のキャリアを通じて、数多くの番組や著作を残しています。
ラジオ
昭和50年代にニッポン放送で特に活躍しました。
ニッポン放送
ザ・パンチ・パンチ・パンチ
くず哲也の日曜はダメよ
NISSANナマ生ステーション
日本全国7時半! （1982年10月 - 1983年3月）
日本全国聴きある記 （1983年10月 - 1984年3月）
くず哲也のほいきた!土曜日一番のり
ラジオ日本
まっ昼間・極太・骨太!くず哲也
くず哲也のオトナの情報マガジン
くず哲也のまじめ半分おもしろ半分
ギャオス・くずの「オトナのスポーツマガジン」（2009年ナイターレインコート）
応援ラジオ・どんまい!→くず哲也のどんまい!!（2011・2012年ナイターレインコート）
くず哲也のコバヤシラジオ（2011年ナイターオフ）
僕も私もジャイアンツナイター（ラジオ日本ジャイアンツナイターレインコート番組。火曜日のみ）
その他
くず哲のヤンヤン大学（TBSラジオ）
くず哲のグッドチューニング（TBSラジオ）
SUPER FREAK SUNDAY（FM富士）初代DJ
エンドーミュージックショーウィンドー（東北放送） ※日曜担当
テレビ
バラエティ番組や情報番組などで活躍しました。
ヒット'76→ヒット'77（日本テレビ） - 池田まさると共に男性へのインタビュアー
オレたちひょうきん族（フジテレビ） - ひょうきんベストテン（上田正樹役、子連れレポーター役）
ファンキートマト（テレビ神奈川）- 初代司会者
TVグラフィックおしゃべりトマト（テレビ神奈川）- リポーター
くず哲也のおもしろザウルス（北海道文化放送）
MOONラビット（千葉テレビ放送）
こちら葛飾情報局（JCN葛飾）
鉄道モノ談義（MONDO21）
ビデオジョッキー（東急ケーブルテレビ）
執筆
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平凡パンチ「くず哲也のペーパーラジオ」等
平凡パンチOh!（平凡パンチの手帳サイズ版別冊）
初体験レポート（1979年4月、廣済堂出版）
くず哲のヤンヤン大学（1979年4月、立風書房）
くず哲也の日曜はダメよ―ダメでもともと笑殺ドジ爆弾（1981年6月、サンケイ出版）
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