こと座RR型変光星

こと座RR型変光星について

こと座RR型変光星（RR Lyrae variables）は、主に銀河ハローや球状星団に存在する脈動変光星の一種です。この変光星は、こと座のプロトタイプを持つことからその名が付けられました。かつては短周期セファイドや星団型変光星として分類されたこともありますが、現在では明確な定義がなされています。

星の特徴

こと座RR型変光星は主にスペクトルA型やF型に属し、質量はおおよそ太陽の半分程度です。これらの星は、主系列の段階では約0.8〜1.0太陽質量を持ち、赤色巨星分枝に進化する際に質量を失うと考えられています。興味深くも、これらの変光星はその光度と周期の間に正比例関係（周期-光度関係）を示すため、側面から天文学の距離測定の指標として利用されています。特に天の川銀河や局所銀河群内の天体の距離を測るのに重宝されています。

歴史的な発見

このタイプの変光星の発見は1890年代中頃にさかのぼり、エドワード・ピッカリングなどの研究者によって急速に発見されました。特に1890年にヤコブス・カプタインがうさぎ座U星を発見したことがこの変光星の歴史における重要な出来事です。その後、1900年にはウィリアミーナ・フレミングがプロトタイプであること座RR星を発見しました。1915年から1930年代にかけて、これらの星が古典的セファイドとは異なる新たなクラスであることが摘発されるようになり、金属量が乏しい種族II恒星としての位置づけが確立されました。

分類とその関連性

こと座RR型変光星は、変光星総合カタログでRRab、RRc、RR(B)の3つに分類されます。RRabは非対称の光度曲線を示し、変光周期は0.3〜1.2日です。一方で、RRcはほぼ対称的な曲線を持ち、その周期は0.2〜0.5日です。また、RR(B)は異なる振動モードが同時に存在するものです。このように分類されること座RR型は、多くの球状星団で観測され、全ての銀緯で見られることから、銀河系内での適用が広いです。

物理的特性

この変光星は、セファイドと似て脈動を引き起こしますが、そのメカニズムや性質はかなり異なります。脈動は、κ機構によって引き起こされ、これはイオン化したヘリウムの不透明度に関連しています。こと座RR型変光星は、セファイドよりもはるかに数が多く、絶対等級は約+0.75と、太陽の40〜50倍の明るさを示します。これらの星の約20%は、変光周期や振幅が数十日から数百日の範囲で変化することがあり、これが「ブラツコ効果」と呼ばれる現象として知られています。

まとめ

こと座RR型変光星は、その独自の特性と重要な探査対象として、天文学の中でも特に注目されています。古典的セファイドとは異なる性質を持ちながら、距離測定や天体の性質を探る上での重要な手掛かりを提供します。銀河ハローや部族の研究においても、貴重な情報源となっており、今後の研究成果にも期待が寄せられています。

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