ウィリアミーナ・フレミング

ウィリアミーナ・フレミング：星空を見つめた先駆的な女性天文学者

ウィリアミーナ・フレミング（Williamina Paton Stevens Fleming、1857年5月15日 - 1911年5月21日）は、スコットランドで生まれ、アメリカ合衆国で天文学者として輝かしい業績を残しました。エドワード・ピッカリングのもとで、ハーバード大学天文台におけるヘンリー・ドレイパーカタログの編集に携わり、数多くのガス星雲、変光星、新星を発見したことで知られています。

生涯

スコットランドのダンディーで誕生したフレミングは、21歳の時にジェームス・フレミングと結婚し、アメリカのボストンへ移住しました。しかし、息子を妊娠中に離婚。彼女は息子と自身の生活を支えるために働く必要に迫られました。そんな中、ハーバード大学天文台の台長を務めていたエドワード・ピッカリングの家で家政婦として働き始めます。

ピッカリングは、天文台の観測結果の整理に多くの女性を雇用しており、フレミングもその一人として天文台に採用されました。彼女はドレーパー星表の制作に深く関わり、9年間で10,000個もの星のスペクトル型を分類し、星表に掲載するという偉業を成し遂げました。

その仕事の中で、フレミングは59個のガス星雲、310個の変光星、10個の新星を発見しました。彼女が発見した変光星の中には、ケンタウルス座T星やこと座RR星といった重要な星が含まれています。ケンタウルス座T星の変光は1895年に、こと座RR星の変光は1901年に発見されました。1907年には、それまでに発見した222個の星雲および変光星の表を出版し、その功績を広く知らしめました。

受賞

フレミングの天文学への貢献は高く評価され、数々の賞を受賞しています。

王立天文学会 名誉会員（1906年）
the Guadalupe Almendaro medal（1911年）メキシコ天文学会

登場作品

フレミングの生涯は、アメリカの劇作家 Lauren Gunderson によるヘンリエッタ・スワン・リービットを描いた作品「Silent Sky」（2011年）にも登場し、彼女の人物像を知ることができます。

参考文献

岡崎彰『奇妙な42の星たち』誠文堂新光社、1994年4月1日発行、ISBN 4-416-29420-4
二間瀬敏史「天文学の20世紀 第1回 ヘンリエッタ・スワン・リービット」『星ナビ』2014年6月号、KADOKAWA、46-51頁。

ウィリアミーナ・フレミングは、困難な状況を乗り越え、天文学の世界で目覚ましい成果を上げた女性です。彼女の功績は、後の世代の女性天文学者たちに大きな勇気と希望を与えました。フレミングの遺産は、これからも星空と共に輝き続けるでしょう。

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