こども自然公園

神奈川県横浜市旭区に広がる「こども自然公園」は、横浜市が管理する市内有数の広さを誇る都市公園です。その面積は約48ヘクタールにも及び、これは旭区内では最大級の規模となります。公園の中心部には大きな池があり、その存在から「大池公園」という別称でも広く親しまれています。

位置とアクセス

公園の所在地は、横浜市旭区を中心に、戸塚区や泉区の一部にも跨っています。公園の事務所は旭区大池町に設けられています。

公共交通機関を利用する場合、相模鉄道の二俣川駅南口から公園北側の正面入口までは徒歩で約15分程度です。二俣川駅からは相鉄バスも運行しており、「万騎が原大池」または「万騎が原中央」バス停が公園の近くにあります。また、相鉄いずみ野線の南万騎が原駅からも徒歩約7分で公園の西側入口に到着できます。車で訪れる際は、保土ヶ谷バイパスの南本宿インターチェンジから約5分で公園北側の入口に到達できます。

公園周辺は住宅街に囲まれていますが、隣接する戸塚カントリー倶楽部や横浜カントリークラブ、南本宿市民の森といった緑地帯と一体となって、相鉄二俣川駅・緑園都市駅と横須賀線東戸塚駅の間に広大な緑の空間を形成しています。

公園内の特色と施設

こども自然公園は、多様な利用者が楽しめる施設が充実しています。特に家族連れに人気の施設としては、横浜市立野毛山動物園の分園である「万騎が原ちびっこ動物園」があります。ここでは身近な動物たちと触れ合えるコーナーも設けられています。また、食材を持ち込んで楽しめるバーベキュー広場や、広々としたピクニック広場、ユニークな形のドーナツ広場、大型遊具を備えた「とりでの森」なども整備されており、子どもたちの遊び場として賑わいます。

自然環境も豊かで、公園東側の「桜山」には約1000本もの桜が植えられており、春の開花時期には大勢の花見客が訪れる桜の名所として知られています。園内の一部にはホタルが生息しており、夜には幻想的な光を見せることもあります。教育的な施設として、子どもたちが田植えなどを体験できる教育水田や、青少年向けの野外活動センターなども設けられています。

公園の中心にある大池は、約6,600平方メートルもの広さがあります。この池は古くから地域の灌漑用水として利用されてきました。江戸時代中期には、地頭の渡辺氏の指示のもと、百姓の六兵衛親子によって現在の規模に拡張されたという歴史が伝えられています。池の畔には、童謡「めだかの学校」の歌碑が建てられています。

主要な施設としては、大池、中池、桜山、梅林、とりでの森、ピクニック広場、ドーナツ広場、売店、バーベキュー広場、野球場、青少年野外活動センター、教育水田、ホタルの生息地、そして万騎が原ちびっこ動物園などが挙げられます。

歴史とイベント

こども自然公園とその周辺地域には、いくつかの歴史的な伝承や出来事があります。鎌倉時代の元久2年（1202年）には、畠山重忠と北条時政の軍勢がこの池の周辺で炊き出しを行ったという話が伝わっています。江戸時代中期（1700年頃）には、前述の六兵衛親子による大池の拡張が行われました。大池のほとりに立つ弁財天の石祠には、寛政2年（1790年）の建立日付が刻まれています。

公園としての整備は、昭和43年（1968年）に始まりました。相模鉄道からの住宅分譲地として寄付された土地と、横浜市が買収した隣接地を合わせて整備が進められ、昭和47年（1972年）6月5日に「こども自然公園」として開園しました。園内の万騎が原ちびっこ動物園は、昭和54年（1979年）に横浜市立野毛山動物園の分園として開設されています。

昭和33年（1958年）頃までは、大池では毎年5月5日に豊作を祈る行事や、干ばつの際に大山の阿夫利神社に雨乞いに行く行事など、地域の伝統的な祭事が行われていました。

公園の野球場では、平成2年（1990年）から毎年夏に「横浜旭ジャズまつり」が開催されており、地域を代表するイベントの一つとなっています。

このように、こども自然公園は広大な敷地の中で多様な施設と豊かな自然が融合し、地域の歴史を伝える場でもあり、多くの市民に親しまれる貴重な緑地空間となっています。

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