めだかの学校

めだかの学校

「めだかの学校」は、作詞を茶木滋、作曲を中田喜直が担当した日本の童謡であり、広く親しまれています。

作品解説

この童謡は1950年に茶木滋によって作詞され、翌1951年3月にNHKラジオ番組「幼児の時間」内のコーナー「歌のおけいこ」で初めて発表されました。同年4月には、同じくNHKのラジオ番組「うたのおばさん」で安西愛子が歌唱し、レコードも発売されました。このレコードのB面には、サトウハチロー作詞、中田喜直作曲の「かわいいかくれんぼ」が収録されていました。

発表当初は、新しい童謡に対する抵抗感から批判もありましたが、その親しみやすいメロディーと歌詞が徐々に受け入れられ、日本全国に広まっていきました。1954年には文部省芸術選奨文部大臣賞を受賞し、2006年には文化庁と日本PTA全国協議会によって「日本の歌百選」にも選定されています。2013年には、保育士実技試験の課題曲としても取り上げられました。

製作の背景

作詞の過程において、茶木滋は東京の製薬会社に勤務しながら童話や童謡を制作していました。詞の着想は、依頼を受ける4年前の1946年に神奈川県小田原市の荻窪用水で息子と交わした会話が元になったとされていました。しかし、童謡研究家の池田小百合が茶木本人と直接書簡をやり取りした結果、このエピソードは筆者である佐藤義美の創作であると結論付けられています。1950年、茶木が雑誌に書いた童話をNHKが放送したいと連絡があり、その打ち合わせの際、茶木が童謡を作りたいと要望したところ、NHKから「春先に放送する明るい歌」という条件で依頼を受け、息子とのやり取りを思い出しながら詞を完成させました。

作曲に関しては、茶木から提供された歌詞を受け取った中田喜直が担当しました。当初、歌詞には繰り返しの部分がありませんでしたが、知人の女性からの提案で特定箇所を繰り返す形に変更。これにより、楽曲に深みが増し、より魅力的な作品へと仕上がりました。中田喜直自身は、作曲当初この曲がこれほどまでに多くの人々に愛されるとは予想していなかったと語っています。

歌碑

1988年には、歌詞の着想の地である荻窪用水周辺に「めだかの学校」の歌碑が建てられました。2005年4月には、作曲者である中田喜直が晩年を過ごした横浜市旭区のこども自然公園にも歌碑が建立されています。その他、神奈川県横須賀市の三笠公園脇、埼玉県久喜市のUR久喜青葉団地内『童謡の小道』、和歌山県西牟婁郡すさみ町の『日本童謡の園』にも歌碑が存在します。

英語版

「KILLIFISH」というタイトルで英語バージョンも存在し、HENRY V. DRENNANが英訳詞を手がけました。このバージョンは、1979年に発売されたコンパクト盤『英語で歌う日本の童謡 おはなしゆびさん/めだかの学校/からすの赤ちゃん/かわいいかくれんぼ』に収録されています。

関連事項

西岸良平 - 1998年に郵政省から発売された「わたしの愛唱歌シリーズ」第4集の「めだかの学校」50円切手のデザインを担当しました。
三波伸介の凸凹大学校 - テレビ番組のオープニングで、この歌の替え歌が使用されていました。
* 三鷹駅 - JR中央本線の駅で、中田喜直が三鷹市に居住していた縁から、駅開業80周年に合わせて2010年6月26日から発車メロディとして使用されています。

「めだかの学校」は、時代を超えて多くの人々に愛され続ける、日本の童謡の代表的な作品の一つです。

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