さが美

株式会社さが美：日本の伝統文化を未来へつなぐ老舗呉服チェーン

1. 沿革と歴史

株式会社さが美は、1974年、大手GMS企業であるユニーの母体の一つ「ほていや」の呉服部門から分社独立した企業です。ほていやは呉服店を起源とし、その伝統的な対面販売と専門性を継承しながら、独自の進化を遂げてきました。当初はユニーの傘下でしたが、2016年には投資ファンド、2018年にはベルーナが買収し、現在はベルーナの完全子会社として、日本を代表する大手呉服チェーンとして確固たる地位を築いています。

社名は、京都の嵯峨野の美しい情景をイメージした「嵯峨美」ブランドに由来し、ユニー時代から受け継がれています。創業当初は婦人服や宝石、雑貨など幅広い商品を展開していましたが、現在は和服を中心とした事業に特化。和服の販売だけでなく、着付け教室やリサイクル着物コーナーの運営など、多角的な展開によって日本の伝統文化の継承にも貢献しています。

2. 事業内容とブランド

さが美グループは、大きく分けて「さが美」と「東京ますいわ屋」の2つの主要ブランドを運営しています。

さが美: 全国に100店以上を展開する主力ブランド。伝統的な着物から現代的なデザインの着物まで幅広く取り揃え、初心者から上級者まで、あらゆるニーズに対応できる品揃えが特徴です。一部店舗では宝石も販売しています。近年は着物初心者向けの新しいコンセプトストア「SAGAMI」も展開し、若い世代の顧客獲得にも力を入れています。また、リサイクル着物を扱うコーナー「蔵三昧」も設置し、持続可能な事業モデルの構築にも取り組んでいます。

東京ますいわ屋: 1946年創業の老舗呉服店「ますいわ屋」をルーツとするブランド。40店舗以上を展開し、高級着物や伝統的な着物を中心に販売しています。高い品質と確かな技術で、多くの顧客から信頼を得ています。

さらに、着付けや和裁を学ぶことができる「さが美着物文化学苑」も運営し、日本の伝統文化の継承に貢献しています。

3. 経営体制と今後の展望

ベルーナの完全子会社となったことで、安定した経営基盤を確立したさが美グループ。今後、ベルーナグループの持つノウハウやネットワークを活用し、EC事業の強化や新ブランドの開発など、さらなる事業拡大を目指すと考えられます。

また、日本の伝統文化である着物の魅力を国内外に発信し、着物文化の普及にも貢献していくことが期待されます。多様な顧客ニーズに対応しながら、持続可能な成長を追求することで、日本の伝統文化を未来へと繋いでいく役割を担っていくことでしょう。

4. その他

過去には、婦人服、宝石、生活雑貨など幅広い分野に事業を展開していましたが、現在は呉服事業に特化することで、専門性を高め、競争力を強化しています。

かつては海外にも店舗を展開していましたが、現在は国内市場に注力。日本の伝統文化である着物を中心とした事業に集中することで、高い専門性と顧客満足度を実現しています。

さが美グループは、単なる呉服販売企業ではなく、日本の伝統文化を継承し、未来へとつなぐ重要な役割を担っている企業と言えるでしょう。

5. 類似名企業との関係

愛知県名古屋市に本社を置く和食麺類レストランの株式会社サガミホールディングスとは、社名に類似点があるものの、資本関係や事業内容においては全く関係ありません。サガミホールディングスは、ユニーの前身であるほていやの社員食堂委託営業が起源であるため、社名に「嵯峨美」ブランドから着想を得た「嵯峨味」を採用していますが、両社は独立した企業です。

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