さよなら、クロ

さよなら、クロ

概要

『さよなら、クロ』は、2003年に公開された日本[[映画]]で、長野県松本深志高校で実際にあった出来事を基に制作されました。物語は、一匹の迷い犬「クロ」が高校に住み着き、生徒や職員と心温まる交流を繰り広げる様子を描いています。この映画のサブタイトルは「世界一幸せな犬の物語」であり、その言葉通り、クロと人々との絆、そしてそこから生まれる感動を丁寧に描いた作品です。

あらすじ

物語の舞台は、昭和30年代半ばの長野県松本市。秋津高校（松本深志高校がモデル）に迷い込んできたメス犬のクロは、生徒の木村亮介（妻夫木聡）が弁当を分けたことをきっかけに、彼になつきます。文化祭の準備中に、亮介が作り物の犬を壊してしまった際、クロが代わりに登場し、文化祭の出し物に加わります。これを機にクロは学校に住み着き、用務員に世話をされながら、職員会議への出席や授業の見回り、夜間警備まで行うようになり、「もう一人の職員」として学校生活に欠かせない存在となります。

クロは、生徒たちの心にも深く関わっていきます。クラスメートの死にショックを受け自殺をしようとした雪子を、クロが止めに入ったエピソードは、クロの存在が単なる犬以上の意味を持っていたことを示しています。10年後、牛乳配達をする森下賢治は、貧困から大学進学を諦め自暴自棄になっていましたが、クロとの関わりを通じて次第に変化していきます。また、亮介は獣医として、雪子は公務員としてそれぞれの道を歩んでいました。旧友の結婚式で帰郷した亮介は、クロの異変に気づき病院へ連れていきます。手術が必要という診断を受け、生徒たちは募金活動を始め、その中で森下も自らの生活態度を改めることを決意します。

キャスト

クロが学校に住み着き始めた頃の生徒

木村亮介（妻夫木聡）: 主人公。クロとの出会いをきっかけに、クロと深い絆を育む。後に獣医となる。
五十嵐雪子（伊藤歩）: 亮介の同級生。クロによって自殺を思いとどまる。後に公務員となる。
神戸孝二（新井浩文）: 亮介の恋敵。バイク事故で亡くなる。
斎藤守（佐藤隆太）: 亮介の旧友。

クロが学校に住み着いて10年後の生徒

森下賢治（金井勇太）: 牛乳配達をしながらクロの世話をする。貧困から自暴自棄になるが、クロとの再会を機に変化する。
矢部一樹（内野謙太）: 賢治の同級生で、犬を飼っている。かつては親友だったが、賢治と仲違いしている。

教職員・その他

三枝昭吾（田辺誠一）
草間敏（塩見三省）: 数学担当教師で、10年後は教頭となる。
谷川まさる（緋田康人）
木村光枝（山村美智）: 亮介の母。
花園修造（柄本明）: クロを診察した獣医。
大河内徳次郎（井川比佐志）: 用務員。
結城えり（余貴美子）: 養護教諭。

スタッフ

監督: 松岡錠司
原作: 藤岡改造「職員会議に出た犬・クロ」
脚本: 松岡錠司、平松恵美子、石川勝己
音楽: Unknown Soup & Spice
主題歌: 財津和夫「青春の影」

受賞

第25回ヨコハマ[[映画祭]]：日本[[映画]]ベストテン第8位、最優秀主演男優賞
第77回キネマ旬報：読者選出ベストテン第8位、最優秀主演男優賞

その他

この映画は、長野県松本深志高等学校で実際にあった出来事を基に制作されました。撮影は、実際の学校を使用し、当時の生徒や職員もエキストラとして出演しています。また、作中でクロを演じたのは、当時12歳（人間で言うと65歳くらい）の雑種のメス犬でした。

作品の魅力

『さよなら、クロ』は、単に犬と人間との交流を描いた作品ではなく、クロという存在を通して、人間関係、命の尊さ、そして成長を描いた感動的な物語です。実話に基づいたストーリーは、観る者に深い感動を与え、心に残る作品として多くの人に愛されています。

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