さよなら物語-THE LAST SCENE and AFTER

『さよなら物語－THE LAST SCENE and AFTER』

『さよなら物語－THE LAST SCENE and AFTER』は、1984年12月5日に日本コロムビアからリリースされた、河合奈保子の10枚目のオリジナル・アルバムです。本作は、"ヨーロッパを舞台にした別れの物語"をテーマにしたコンセプト・アルバムであり、河合奈保子のデビュー5周年を記念して制作されました。このアルバムは、同年6月から始まった3か月ごとのリリースプランの一環として発表された第3弾の作品で、LPの帯には「奈保子5周年・メモリアルアルバム Vol.3」と明記されています。

本作と同時にリリースされた19枚目のシングル「北駅のソリチュード」は収録されておらず、アルバムに収録された楽曲はすべて新たに書き下ろされたものです。本アルバムの作詞は売野雅勇、作曲は筒美京平が手掛けており、編曲には矢島賢と矢島マキが参加しています。特に、フェアライトCMIを使用した演奏が特徴で、ギターやコーラスが重ねられた音の層が印象的です。

収録楽曲には、シャンソン風やスウィング調の楽曲、さらにはロシア民謡を思わせるメロディが展開され、音楽的なバリエーションが豊かな作品となっています。また、各トラックには英語のサブタイトルが付されており、リスナーに対するメッセージやストーリーがより一層引き立てられています。

ジャケットデザインは、著名なカメラマン立木義浩が担当しており、アルバム全体のテーマに合った美しいビジュアルが印象的です。2020年1月29日には、このアルバムのアートワークをCDサイズで再現した紙ジャケット仕様のリリースがタワーレコード限定で登場しました。これを記念して、そのアルバムに関連する展示会が新宿店で行われたことも特筆に値します。

さらに、2021年11月24日には、SACDハイブリッド版もリリースされ、音質面でも充実した体験ができるようになりました。

このように『さよなら物語－THE LAST SCENE and AFTER』は、河合奈保子の音楽キャリアの重要な一章として位置付けられており、楽曲やアートワーク、さらにはリリースに至る経緯に至るまで、多くの意味と価値が込められた作品です。今もなお、聴く人々に感動を与え続けるこのアルバムは、聴くたびに新たな発見があることでしょう。

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