すおう (多用途支援艦)

「すおう」（JS Suō, AMS-4302）についての詳細

「すおう」は、海上自衛隊が保有する多用途支援艦であり、ひうち型の2番艦に該当します。この艦級名は、周防灘に由来しており、海洋曳船に相当する役割を果たしています。本稿では、艦の歴史や運用状況を中心に取り上げることにしますが、艦の性能や装備についてはひうち型多用途支援艦全体を参照してください。

概要

「すおう」は、最初は武装を持たない艦として設計されましたが、その後両舷に12.7mm機関銃を配置するための銃架が設置されました。この機関銃は、必要に応じて艦に装備されるため、常時装着されることはありません。ひうち型には前期建造艦と後期建造艦があり、前者にあたる「すおう」は、外洋での運用能力や居住性を向上させるための減揺タンクや、潜水艦訓練支援用の水中通話機などが装備されていません。

艦歴

「すおう」は、平成13年度中期防衛力整備計画に基づき、980トン型多用途支援艦の4302号艦として、2002年9月19日にユニバーサル造船京浜事業所で起工され、2003年4月25日に進水し、2004年3月16日には正式に就役しました。最初は横須賀地方隊に編入されましたが、その後の数年間で多くの重要な任務を歴任します。

2007年には、日本が主催したPSI海上阻止訓練に参加し、他国の海軍とも連携して様々な演習を行いました。この訓練には陸上自衛隊や多くの艦艇が参加し、国際的な連携の一環として重要視されました。

2008年2月20日、同型の新造艦「えんしゅう」が編入されたことで、大湊地方隊への配置転換が行われ、定係港も大湊に変更されます。

2011年の東日本大震災では、災害派遣に従事し、被災地支援のために活動しました。さらに、2012年には陸奥湾でのSH-60Jの墜落事故に関連する捜索活動に参加しました。

2015年、宗谷岬において、ロシア海軍の艦艇を発見し、監視活動を行ったことは、艦の防衛任務の一端を示す事例の一つです。

2017年4月に部隊改編が行われ、大湊警備隊隷下に組織変更され、海上での役割を一層強化しました。

2018年9月6日には、北海道胆振東部地震の発生に対し、再び災害派遣が行われ、地域支援を実施しました。この年の11月には、同艦のカレーが大湊海自カレーフェスで初代チャンピオンに輝くなど、地域イベントにも貢献を果たしました。

2025年には大湊地区隊として改編され、引き続き横須賀警備隊隷下で活動を継続しています。現在、艦は大湊を拠点として運用されています。

まとめ

多用途支援艦「すおう」は、その艦歴を通じて数々の重要な任務に従事し、海上自衛隊の運用能力を示してきました。これからも、様々な役割を果たしながら、海での安全を守る存在であり続けることでしょう。

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