すずらん (列車)

特急「すずらん」

特急「すずらん」は、北海道旅客鉄道（JR北海道）の特別急行列車で、室蘭駅と札幌駅の間を快適に結ぶルートです。この列車は、室蘭本線、千歳線、函館本線を経由して運行されており、利用者に便利な交通手段を提供しています。

運行概要

「すずらん」は、1日6往復の定期列車が運行されており、そのうち2・5号は東室蘭駅発着で、他は室蘭駅発着となっています。東室蘭駅から札幌駅間の所要時間は約1時間半で、最高速度は140 km/hに達します。2024年3月15日までは、室蘭発の列車間において普通列車扱いで運行されていましたが、翌日のダイヤ改正から特急列車に昇格し、さらなる利便性が提供されています。特に、この特急列車では、普通乗車券で指定席の空席利用が可能な特例があり、利用者に配慮したサービスが行われています。

「すずらん」は、函館駅と札幌駅を結ぶ特急「北斗」と運行経路が一部重複していますが、道央および胆振地区の都市間輸送に重きを置いた特徴から、停車駅が多く設定されています。主要な停車駅には、室蘭駅、母恋駅、御崎駅、輪西駅、東室蘭駅、鷲別駅、幌別駅、登別駅、白老駅、苫小牧駅、沼ノ端駅、南千歳駅、千歳駅、新札幌駅、さらには札幌駅が含まれています。

車両と編成

「すずらん」に使用される車両は、主に785系および789系電車で、すべて普通車の5両編成が採用されています。4号車には指定席「uシート」が設けられており、他の車両は通常の指定席となっています。また、2020年3月14日からは、白老町に新たにオープンした「ウポポイ」に合わせて、指定席の増加が図られました。2024年3月16日には自由席が廃止され、全車両が指定席での運行に変更されます。

臨時列車の運行

土日祝日には、札幌発の臨時列車「すずらん」82号が運行されています。また、室蘭市の入江運動公園陸上競技場で行われるJリーグ・北海道コンサドーレ札幌の試合に合わせて、臨時列車「コンサドーレ号」が運行される場合があります。

歴史

「すずらん」の名前は1956年11月19日に初めて設定され、その際は函館駅と札幌駅を結ぶ客車急行列車でした。その後の運行形態や車両変更を経て、1992年7月1日に再び特急としての運行が復活しました。また、1990年以降は「エル特急」の呼称が用いられましたが、2017年には「特急」に改称されました。この間には多くのダイヤ改正や運行形態の見直しが行われ、より快適で迅速な輸送が実現されています。

特急「すずらん」の意義

特急「すずらん」は、観光地やビジネスの拠点とされる都市間を結ぶ重要な輸送手段として、地域経済の活性化に寄与しています。この列車を利用することで、観光客は道内の美しい自然や文化、歴史を体験しやすくなり、地域の魅力をより多くの人に広める役割も果たしています。利用者にとって快適で便利な鉄道旅行を提供する「すずらん」は、北海道の鉄道網において欠かせない存在となっています。

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