すずらん湖

すずらん湖

すずらん湖は、長野県東筑摩郡麻績村の聖高原にある人造湖です。聖高原総合開発事業の一環として、信濃川水系宮川に建設された大沼ダムによって造成されたダム湖（ため[[池]]）であり、聖山高原県立公園内に位置しています。

歴史

1960年代初頭、標高1,447mの聖山を主峰とする聖高原を観光地として開発する事業が始まりました。この聖高原総合開発事業では、自然湖である聖湖のレジャー開発に加え、周辺の山林での別荘地開発・分譲も計画されました。事業の第一歩として、水源の確保が最優先事項とされ、高原の谷川をダムで堰き止め、水を貯める計画が立てられました。

1963年7月22日に起工式が執り行われ、同月24日に工事が開始されました。ダム本体工事では、長野県で初めてハイドロック・カーテングラウト工法が採用されました。この工法はダムの漏水防止に効果的とされ、工事は1964年5月25日に完了しました。総工費は2,576万円でした。同年7月28日には、聖高原ホテル竣工式と合わせて湖畔で竣工式が開催され、当時の長野県知事をはじめ、多くの来賓が出席しました。

ダム建設に際して、村人からダム湖の名称を募集したところ、95点の応募がありました。委員会による選考の結果、ダム湖の名前は「すずらん湖」に決定されました。すずらん湖の水は、現在もかんがい用水や上水道用水として利用されています。

周辺

すずらん湖へは、長野自動車道・麻績インターチェンジから国道403号を北上し、聖湖の手前で左折して西に進むと到着します。湖を形成するダムの天端は舗装道路になっており、そこを過ぎてすぐの広場には、ダムの諸元などが記載された案内板が設置されています。すずらん湖では遊泳や釣りは禁止されています。

また、すずらん湖の近くには奥聖水芭蕉園があります。1984年頃からミズバショウの苗が植え始められ、十数年の歳月をかけて現在の規模にまで成長しました。

すずらん湖の完成後、宮川下流では大型砂防堰堤の大沢ダムが1971年に建設されました。さらに、その大沢ダムを沈める形で、2000年に北山ダムが完成しています。

参考文献

麻績村「大沼（すずらん湖）」現地案内板
麻績村誌編纂会編『麻績村誌 下巻 近・現代編 民俗編』麻績村、1989年。
窪田文明『信州の湖紀行 秘められた湖沼100選』郷土出版社、1997年。
財団法人日本ダム協会『ダム便覧』

すずらん湖を形成する大沼ダムは、高さ17メートルのフィルダムですが、『ダム便覧』には記載されていません。

関連項目

ダム
日本のダム
フィルダム
ため[[池]]
聖山高原県立公園
聖高原
聖湖
北山ダム (長野県)

外部リンク

麻績村
聖高原
* 聖高原別荘地

もう一度検索