すべてをあなたに (曲)

ホイットニー・ヒューストンの代表曲「すべてをあなたに」

「すべてをあなたに（Saving All My Love for You）」は、マイケル・マッサーとジェリー・ゴフィンによって作詞作曲され、ジーン・ペイジが編曲を手掛けた楽曲です。元々は、1978年にマリリン・マックー&ビリー・デイヴィスJr.によって歌われたものの、マイナーヒットに留まりました。しかし、ホイットニー・ヒューストンがカバーし、1985年にデビューアルバム『そよ風の贈りもの』からのセカンド・シングルとして発売されると、世界的な大ヒットとなりました。

楽曲について

この曲は、ジャズの要素を取り入れたバラードであり、既婚者の男性への報われない愛を歌っています。歌詞は、その男性に全ての愛を捧げたいという女性の切ない心情を表現しており、ホイットニーの力強くも情感豊かな歌声によって、聴く人の心に深く響きます。

ミュージック・ビデオ

ミュージック・ビデオはロンドンで撮影され、ホイットニー自身が、既婚者の音楽プロデューサーと恋に落ちる女性を演じています。映像は、楽曲の持つドラマチックな雰囲気をさらに高め、多くの視聴者を魅了しました。

チャート・パフォーマンスと受賞

「すべてをあなたに」は、1985年にリリースされると、ビルボード・ホット100に53位で初登場し、その後急速に順位を上げ、発売から5週目にはトップ10入りを果たしました。そして、1985年10月26日にはついに1位を獲得し、以降、ホイットニーは7曲連続で1位を獲得するという快挙を成し遂げます。このシングルは、15週に渡ってトップ40にランクインし続け、世界各国のチャートでも1位、またはトップ10入りを果たしました。また、全米ホットR&Bソング・チャートでも1位を獲得し、ビルボードの年間ブラグ・シングルチャートでは5位にランクインしました。イギリスでは、1985年12月に2週間1位を獲得し、その年のシングル売上トップ25にも入っています。

ホイットニーは、1986年のグラミー賞で最優秀女性ポップ・ボーカル賞を受賞し、さらに、この曲のミュージック・ビデオは、アメリカン・ミュージック・アワードの最優秀R&B/ソウル・ビデオを受賞しました。

カバー・バージョン

「すべてをあなたに」は、数多くのアーティストによってカバーされています。以下はその一部です。

レスター・ボウイ（ジャズ・トランペット奏者）：1986年のアルバム『Avant Pop』に収録
ハンク・クロフォード（ジャズ・サックス奏者）：1990年のアルバム『Groove Master』に収録
OTTOTTRIO（日本のフュージョンバンド）：1988年のライブでカバー
シェネル（オーストラリアの歌手）：2011年のアルバム『ラブ・ソングス』に収録
朱里エイコ（日本の歌手）：1987年に「すべての愛をあなたに…」のタイトルでシングルリリース
LISA（m-flo）（日本の歌手）：2005年のアルバム『Melody Circus』に収録
JUJU（日本の歌手）：2008年のミニアルバム『My Life』に収録
glee/グリー：シーズン3の第17話「ホイットニーに捧ぐ」で、サミュエル・ラーセンとディアナ・アグロンがデュエットでカバー
* 島津亜矢（日本の歌手）：2015年のアルバム『SINGER 3』に収録

これらのカバー・バージョンからも、「すべてをあなたに」が時代を超えて愛され続けていることがわかります。

ホイットニー・ヒューストンの「すべてをあなたに」は、彼女の輝かしいキャリアを代表する一曲であり、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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