せとぎり (護衛艦)

護衛艦「せとぎり」について

「せとぎり」（JS Setogiri, DD-156）は、海上自衛隊に属する護衛艦です。あさぎり型護衛艦の6番艦として、唯一の艦名の由来は「瀬戸に立つ霧」で、これは日本の美しい風景を象徴しています。旧海軍の艦艇名では初めてこの名が与えられました。本稿では「せとぎり」の艦歴を詳述します。

艦歴の詳細

「せとぎり」は1987年3月に住友重機械追浜造船所浦賀工場で起工され、1988年9月に進水、1990年2月14日に正式に就役しました。就役後は第1護衛隊群第48護衛隊に配属され、横須賀を母港としました。

1991年6月から9月にかけて、護衛艦「くらま」や「P-3C哨戒機」と共に米国へ派遣され、訓練を行いました。1995年にはオーストラリア海軍との親善訓練にも参加し、着実に国際的な協力を深めました。1996年には環太平洋合同演習に参加し、国際的な軍事演習を通じて他国の艦艇との相互運用性を高めました。

その後、1997年3月には第48護衛隊が第4護衛隊群に再編成され、艦は大湊へと移動しました。1998年10月には韓国の釜山で国際観艦式に参加し、国際交流の一環として多くの艦艇と交流しました。同年11月にはフランス海軍との交歓訓練も実施し、様々な国との連携を深めていきました。

2002年には、テロ対策特別措置法に基づきインド洋に派遣され、補給艦「はまな」と共に作戦を行い、2003年には米国派遣訓練に戻りました。

2010年、ソマリア沖・アデン湾へ海賊対処法に基づく派遣任務が開始され、他の護衛艦たちと共に28回の船団護衛を実施しました。2011年には東日本大震災の発生を受け、災害派遣任務にも従事しました。

その後も「せとぎり」は数多くの派遣任務や演習に参加し、国際的な活動を続けています。特に2021年には、海賊対処のためアデン湾に派遣され、フランス及びアメリカの艦艇との共同訓練を行いました。

また、「せとぎり」は艦の識別性を高めるため、2022年に低視認性塗装を施し、海上での運用能力を向上させました。同年は海上保安庁との共同訓練も行い、情報共有や救助任務に関する訓練を実施しました。

さらに2024年には能登半島地震への災害派遣を行い、地域の被災者への支援を行っています。「せとぎり」は、現在でも護衛艦隊第14護衛隊に所属し、舞鶴を拠点に活動を続けています。

まとめ

「せとぎり」は海上自衛隊の多くの歴史的な瞬間に立ち会いながら、国際的な海の安全に貢献している重要な護衛艦です。その艦歴は、単なる護衛任務だけでなく、様々な国々との協力や災害支援など、多岐にわたりました。これからも「せとぎり」はその使命を果たし続けるでしょう。

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