あさぎり型護衛艦

あさぎり型護衛艦

あさぎり型護衛艦（あさぎりがたごえいかん）は、海上自衛隊に所属する護衛艦の1つであり、その設計は海上自衛隊の初代汎用護衛艦であるはつゆき型の改良版です。1980年代に建造されたこの艦級は、8隻が計画され、1983年から1987年にかけて完成しました。しかし、近年では2022年に発表された防衛力整備計画に基づき、2027年度までに数隻の除籍を行う方針が示されています。

来歴

あさぎり型は、海上自衛隊の新たな艦隊編成の一環として策定された8艦8機体制に基づいて設計されました。その背景には、予算や技術的制約が存在し、初代汎用護衛艦であるはつゆき型では抗堪性やC4I機能に対して妥協が余儀なくされていたという経緯があります。そのため、あさぎり型においては大型化と装備の近代化が図られています。

設計

あさぎり型の設計は、はつゆき型の要求性能を基本としているものの、排水量の増加や装備の改善が行われています。船体は、はつゆき型同様の遮浪甲板型であり、長船首楼型を基本としていますが、上甲板の整一化や機関区画のシフト配置により、耐久性が向上しています。船体の延長に伴い、排水量は500トン大きくなり、そして艦首形状が改良されていることで優れた水中放射雑音低減にも寄与しています。

機関

あさぎり型は主機出力54,000馬力を必要とし、COGAG方式を用いることで所要の出力を確保しています。特に、英国製のロールス・ロイス スペイエンジンを用いることで、最大速力30ノットを発揮することが可能です。この設計においては、主機関の遠隔操縦が導入されており、特に入出港や洋上の作業時に精密な操艦が求められます。

装備

C4Iシステム

あさぎり型に搭載されている戦術情報処理装置は、OYQ-5を基にしており、艦隊での情報共有を向上させるために機能が強化されています。特に、対潛情報処理装置の搭載計画には遅延が生じましたが、最終艦には最新の処理装置が装備されています。

対空戦

対空捜索レーダーは、初期型ではOPS-14Cを使用し、その後改良型にアップグレードされました。対空ミサイルシステムも更新され、短SAMの管制が可能となっています。

対水上戦

水上捜索用レーダーやあさぎり型も搭載する艦対艦ミサイルの運用能力が向上されています。

対潜戦

対潜戦のためのアクティブおよびパッシブ戦システムを採用しており、艦の近くでの対潜戦が利便性を持つって実施されています。特に、ソナーの改良が認められ、探知性能が大幅に向上しています。

運用史

あさぎり型の初期艦である「やまぎり」と「あさぎり」は、年月を経て練習艦に変更されましたが、その後再び護衛艦として運用されています。艦齢延伸改修工事により、運用期間が延び、2020年以降は低視認性塗装への変更も進められています。

防衛力整備計画において、一部艦艇の除籍が計画されているため、今後の運用については注視が必要です。日本の海上自衛隊における重要な艦艇であるあさぎり型は、引き続き多様な任務を遂行していくでしょう。

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