たいげい (潜水艦)

潜水艦「たいげい」の概要と艦歴

潜水艦「たいげい」（ローマ字：JS Taigei, SSE-6201、SS-513）は、海上自衛隊に所属する最新式の潜水艦です。この艦は、たいげい型潜水艦の1番艦として位置付けられ、その名は「大きな鯨」に由来しています。先代の艦艇では、旧日本海軍の潜水母艦「大鯨」があり、これに続く形で「たいげい」は2代目の命名となります。

「たいげい」は、そうりゅう型潜水艦の11番艦「おうりゅう」および12番艦「とうりゅう」に続く艦で、GSユアサ社が開発したリチウムイオン電池を搭載したディーゼル電気推進方式の通常動力型潜水艦です。また、89式長魚雷の後継である最新の18式長魚雷を装備するとの情報もあり、これにより従来の潜水艦よりも高い戦闘能力を備えています。

特筆すべきは、潜水艦への女性自衛官の配置制限が解除されたことにより、艦内部に女性用の寝室を設けるなど、女性自衛官が勤務しやすい環境が整えられている点です。これは日本の自衛隊におけるジェンダー平等の向上を目指す重要な施策の一環として捉えられています。

艦歴

「たいげい」の建造は、中期防衛力整備計画（26中期防）に基づいており、平成29年度計画の一環として、三菱重工業神戸造船所で2018年3月16日に起工されました。そして、2020年10月14日に命名・進水式が行われ、その際に「たいげい」という名が正式に付けられました。就役は2022年3月9日で、第2潜水隊群第4潜水隊に編入され、横須賀へ配備されました。

興味深い点として、艦の建造中にもかかわらず、「平成31年度以降に係る防衛計画の大綱について」には試験潜水艦への種別変更予定が明記されていたことがあります。このような背景を持つ「たいげい」は、2024年3月8日に3番艦「じんげい」が就役する際に試験潜水艦へと種別変更され、艦番号も「SSE-6201」に改められました。

新しい艦隊の一部として、第11潜水隊に編入された「たいげい」は、将来的には新型ソーナー装置や雑音低減機能を有する水中発射管などの様々な装置の試験を行うことになります。これにより、「たいげい」は日本の潜水艦技術研究や開発において重要な役割を果たすことが期待されています。

今後も「たいげい」は、海上自衛隊の一翼を担う潜水艦として技術の発展に貢献し、国防における重要な任務を遂行していくことでしょう。

もう一度検索