ちびっこアベック歌合戦

『ちびっこアベック歌合戦』は、毎日放送（MBS）が制作し、1974年10月5日から1975年9月26日まで放送された、小学生以下の子供たちを対象とした歌謡番組です。この番組は、当時のNET系列局（現在のテレビ朝日系列）からTBS系列局へと放送ネットワークを移行するという、日本のテレビ史における大きな転換期に放送されたことが特徴です。

番組の主な内容は、毎回、選ばれた小学生以下の子供たちがペアを組んで出場し、歌唱力を競い合うというものでした。子供たちの純粋な歌声と、一生懸命に歌う姿は、多くの視聴者の心を捉え、人気を博しました。また、視聴者参加型という形式も、番組の魅力を高める要素の一つでした。各回のチャンピオンに輝いたペアには、ディズニーランド旅行がプレゼントされるという豪華な特典も、子供たちのモチベーションを高めました。

放送開始当初、番組はNET系列局で放送されていましたが、1975年4月4日に、近畿広域圏におけるネットワークの腸捻転状態が解消されたことに伴い、毎日放送がNET系列からTBS系列へと移行しました。このネットワーク変更により、関東広域圏では、NETテレビ（現在のテレビ朝日）からTBSへと放送局が切り替えられました。

司会者も、ネットワークの変更とともに交代しました。腸捻転時代には、落語家の5代目月の家円鏡（後の8代目橘家圓蔵）と、外国人歌手のダニエル・ビダルが司会を務めていましたが、腸捻転解消後には、ダニエル・ビダルに代わって、元ゴールデンハーフのマリア・エリザベス（後の森マリア）が円鏡のパートナーとして番組を盛り上げました。また、作曲家の小林亜星が審査員を務め、子供たちの歌唱力を厳しくも温かい目で見守りました。

以下に、主な放送局を列挙します（特記がない限り同時ネット）。

毎日放送（製作局）
北海道テレビ → 北海道放送
宮城テレビ（月曜18時）→東北放送
NETテレビ → TBSテレビ
新潟放送
福井テレビ（腸捻転解消前は金曜 18:00 - 18:30）
静岡放送
名古屋テレビ → CBCテレビ
岡山放送→山陽放送（当時の放送免許地域は岡山県のみ）
瀬戸内海放送（当時の放送免許地域は香川県のみ）
広島ホームテレビ→中国放送
九州朝日放送（水曜 19:00 - 19:30） → RKB毎日放送

『ちびっこアベック歌合戦』は、わずか1年間の放送期間でしたが、当時の子供たちの夢と希望を育み、多くの人々に愛された歌謡番組として、その名をテレビ史に刻んでいます。

もう一度検索