ちよだ (潜水艦救難艦)

潜水艦救難艦「ちよだ」について

「ちよだ」（JS Chiyoda, ASR-404）は、日本の海上自衛隊における重要な潜水艦救難艦です。その艦名は、東京都千代田区にある千代田城に由来しており、この名称の艦艇は日本で5代目となります。

設計と建造

「ちよだ」は、従来の潜水艦救難母艦「ちよだ」（56AS）の老朽化を受けた代替艦として設計されました。設計は「ちはや」（08ASR）の拡大型としており、外観はほぼ同じですが、マストの形状が塔型に改良されています。この艦には、最新の深海救難艇（DSRV）と無人探査機（ROV）が搭載されてもおり、これにより救難能力が飛躍的に向上しています。

具体的には、DSRVは1度の潜水で救助可能な人数を「ちはや」の12名から16名に増やしました。さらに、バッテリーを従来の銀・亜鉛二次電池から、充電時間の短縮を図ったリチウムイオン二次電池に変更しています。ROVはその運動能力と捜索能力が大いに改善され、ここでも新たな運用が可能になっています。一方で、ちよだでは、燃料や魚雷、真水の供給、宿泊・休養施設などの機能は省かれていますが、医療支援のための機能が強化されています。

主な機能と装備

艦には、潜水病治療用の再圧タンクが3基、手術用寝台2床、約10床の病床が設置され、災害が発生した際には医療支援や被災者支援の拠点としても使用されることを想定しています。主機はディーゼルエンジンで、燃料タンクは大型化されています。これにより、高速航行時でも十分な航続距離を保ち、救難活動を迅速に行うことができるようになっています。

深海救難艇（DSRV）の詳細

本艦の特徴的な装備である深海救難艇は、平成26年度計画に基づいて製造され、2015年1月28日に起工しました。2018年3月に就役し、長さ12.4メートル、幅3.2メートル、高さ4.3メートル、排水量約45トンとしてください。この艇は、2名の操縦士と、さらに10名以上の乗員を収容できます。また、排水量の増加により、救出できる人数も増加しました。

艦歴

「ちよだ」は、2015年10月に起工され、2016年10月に進水し、2018年3月に正式に就役しました。険難救助訓練や災害派遣活動に従事し、他国との共同訓練にも積極的に参加しています。2018年5月には、相模湾で溺者救助を行い、2019年には銚子市沖の船舶沈没事故に対応するなど、さまざまな救助活動を行っています。また、2021年には貨物船沈没に関する捜索支援のため災害派遣にも出動しました。

まとめ

「ちよだ」は、海上自衛隊の潜水艦救難艦として、新しい技術と装備を携え、さまざまな場面でその能力を発揮しています。深海での救難活動や災害時の支援など、多くの人命を守るための重要な役割を果たしているのです。

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