つるのうた3

つるのうた3

つるの剛士による通算5作目のアルバムにして、4作目のカバーアルバムにあたる『つるのうた3』は、2015年5月27日にポニーキャニオンからリリースされました。このリリース日は、つるの剛士の40歳の誕生日である5月26日の翌日という記念すべきタイミングでした。

本作には、1970年代から2000年代にかけて発表された日本のポップスを中心に、幅広いジャンルから選ばれた名曲の数々が、つるの剛士ならではの温かく力強い歌声でカバーされています。選曲の多様性は、彼の音楽的なルーツや敬愛するアーティストへのオマージュを感じさせます。

CDには以下の全12曲が収録されています。オリジナルアーティスト名と発表年を記します。

雪の華 (中島美嘉, 2003年)
GLORIA (ZIGGY, 1988年)
悲しみにさよなら (安全地帯, 1985年)
星のラブレター (THE BOOM, 1989年)
千の風になって (新井満/秋川雅史, 2003年/2006年)
PIECE OF MY WISH (今井美樹, 1991年)
君という名の翼 (コブクロ, 2006年)
もう少し (Kiroro, 2004年)
fragile (Every Little Thing, 2001年)
本当の恋 (May J.|May_J., 2014年)
銃爪 feat.世良公則 (世良公則&ツイスト, 1978年)
MY WAY (Frank Sinatra, 1969年)

これらの楽曲は、それぞれのオリジナルが持つ魅力を尊重しつつも、つるの剛士のアレンジと歌唱によって新たな息吹が吹き込まれています。編曲には中村圭作、若菜拓馬、山本康太といったアレンジャーが参加し、ストリングスアレンジを真部裕が手掛けるなど、多彩な音楽家が制作に携わっています。

収録曲の中でも特筆すべきは、Kiroroのカバーである「もう少し」と、世良公則を迎えた「銃爪」です。「もう少し」は、テレビ朝日の音楽番組『musicる TV』の企画として、一般から募集された編曲家との共同作業によって生み出されました。視聴者参加型のユニークな試みから生まれたこの楽曲は、アルバムに特別な彩りを添えています。

一方、「銃爪」では、オリジナルの歌い手である世良公則との貴重なデュエットが実現しています。このコラボレーションは、TBSの音楽番組『UTAGE! スペシャル』で両者が共演し、共にこの曲を歌唱したことがきっかけで実現しました。世代を超えたアーティスト同士の化学反応が楽しめる一曲となっています。また、フランク・シナトラの代表曲「MY WAY」のカバーが収録されている点も興味深く、洋楽スタンダードに挑戦する姿勢も見られます。

さらに、本作にはCDだけでなく、特典としてDVDが付属しています。DVDには、2015年3月26日にポニーキャニオンの代々木スタジオで行われたスタジオライブの模様が収録されており、「雪の華」、「fragile」、「GLORIA」の3曲のパフォーマンスを映像で楽しむことができます。ライブならではの臨場感とともに、CD収録楽曲の別の一面を垣間見ることができる貴重な内容です。

『つるのうた3』は、カバーアルバムとして彼のキャリアにおける重要な位置を占める作品であり、多様な名曲へのリスペクトと、自身の表現を融合させた魅力が詰まっています。誕生日翌日という特別な日にリリースされたことも含め、ファンにとっては記念碑的な一枚と言えるでしょう。ポニーキャニオンの特設サイトでは、本作に関する詳しい情報や関連コンテンツが公開されています。

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